第17話 寝るまでお姉ちゃんとお話しするよ!

何とか説明を終えたボクは機材の設定をする。

今回は、所謂睡眠枠になるから枕元にマイクをセットする。最近の機材はワイヤレスでも十分な音質が録れるようになったからこういう時に楽だよね。


「ゆーくん?終わった感じ?」


機材を動かしているボクに代わって皿洗いをしてくれたお姉ちゃん。お客さんのにそんなことさせられないって言ったけど、結局押し切られたんだよね。


「おわったよ~」


「どのくらいで始める?」


「お風呂先に入ろうかな」


告知を出してからお風呂に入った。



◇◇


《氷柱ゆい》寝るまでお姉ちゃんとお話するよ!【セカプロ二期生】睡眠 雑談枠

4.78万人待機中 20XX/05/XX 22:30公開予定


【コメント】

 :一日に二回も!?

 :ありがてえ

 :無理はしないでね??

 :待機やばww

 :睡眠枠....もしかすると

 :もしかするかもしれないわね

 :Yes!

 :お姉ちゃんも一緒か~どうなるんだろう


◇◇


お風呂から上がったボクたちは早速配信の準備をする。そして、少し時間に遅れてしまったけど配信をスタートさせた。



◇◇◇


<ゆ い>『しずにい・しずねえのみんな、こんばんは~』


 :こんばんわ~

 :小声助かる

 :あ~脳が溶ける~


今回は睡眠枠ということもあり、少しマイクの音量を大きめにしておいたのだ。


<ゆ い>『この配信は少しマイクの音大きめにしておいたから各自で調整してね』


 :注意助かる

 :↑なんでも助かる人


<ゆ い>『夜も更けてきたから、そろそろ今日のゲスト?を紹介するよ!お姉ちゃん~』


ボクがそう呼びかけるとお姉ちゃんもマイクに向かって話し始める。


<かなで>『えっと初めましてかな?セカンドプロダクション三期生。雪代かなでだ。よろしく』


 :マジかww

 :もう三期生?

 :ゆいちゃんと同じじゃないの?


ボクは目を見開きながら問いただす。


<ゆ い>『お姉ちゃんもセカプロに入ってたの!?』


<かなで>『そうだよ』


<ゆ い>『ええ!?』


ボクは驚きのあまり声が大きくなってしまった。


 :み、みみが、、

 :でもゆいちゃんにやられるのなら

 :本望だ

 :仲良しww


<ゆ い>『ご、ごめんね!?』


 :ダイジョーブ

 :No problem.

 :お、海外ニキ登場


<かなで>『詳しい経緯はまた今度説明するよ。まだ話せないこともあるしね』


<ゆ い>『う、うん』


お姉ちゃんの突然の三期生発言にびっくりしながらもまったりと雑談をしていった。




<かなで>『ごはんの時も聞いたけどさ、どう?この家には慣れたの?』


<ゆ い>『うん、だいぶ慣れたよ~』


<かなで>『ゆーくんはね最近一人暮らしを始めたんだよ。お陰でお姉ちゃんさみしい』


 :最初のクールな感じが消えたww

 :愛されてる~

 :てぇてぇを聞けて余は満足じゃ

 :いいなぁ


<かなで>『ゆーくんはさみしくないの?』


かなではいたずら半分に聞いてみるとゆいは少しづつ船をこぎながら答えた。


<ゆ い>『さみ、しいよ』


<かなで>『!?!?』


ゆいの目はもうトロンとしていて、声も少し甘味を増していた。


 :ぐっ!!

 :ま、まだ耐えられるぞ!

 :いかん、、反則、、

 :先に逝く....


これから悶絶する人がどれだけ増えていくのか、まだ誰も知らない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る