*6-4-3*

 それはとても静かだった。

 まるで夜闇に包まれた水平線から、太陽が顔を覗かせたかのような静寂に満ちた光景。

 インド洋上に、人の生み出した罪なる太陽が輝くと共に、玉座の間に立ち上げられたホログラフィックモニターより溢れる光は大聖堂全体を真っ白に染め上げる。

 光が消えると、海上を支配する白い霧を突き破るように天に向かって黒煙が噴き上げられ、その先に天使の光輪が輝いた。

 直前まで確かにそこに存在したはずの巨大なギガフロートは跡形もなく消失し、代わりに海上に浮かぶのは何かの構造物を成していたと思しき残骸だけ。

 穏やかだった海は巨大な波のうねりを作り出し、それはまるで爆心地から逃げ出す動物の群れのように凄まじい速度で東西南北へ駆け出している。


 第二次世界大戦以後、世界で初めて原子核融合を用いた爆弾が人命の直上で炸裂した。

 グラウンド・ゼロ。悲劇の中心地となったのは、世界中に存在するありとあらゆる国家群の一国ではなく、世界中のどこにも属さない孤高の国際機関である。


 なぜ。なぜ、自分達だったのか。


 玉座の間に集ったマークתの隊員達は心の奥底で、もはや何をどうしても取り戻せない過去を嘆き叫んだ。

 すると、ホログラフィックモニターに満足げな視線を送りながら、穏やかな口調でアンジェリカが言った。


「なぜ、なぜ自分達であったのか。などと――

 その答えを貴方達は知っている。知っていて、知らなかった振りをしている。違う未来を描く機会を自ら蔑ろにして、有りもしない可能性に縋った果ての結末が“これ”だというのに。

 分かるかしら? あの日、あの時もそう。今日、先の瞬間だってそう。貴方達は私の誘いに対して、私の要求に対して、ただ首を縦に振って頷くだけで良かった。それだけで貴方達にとっての悲劇、私達にとっての享楽を回避することが出来たというのに」


 そう言って笑ったアンジェリカはくるりと後ろを振り返り、尻もちをついたまま動けずにいるルーカスと向き合った。

 小さな身体の背後にそびえる巨大なモニターには、この国の大統領が全世界国家に向けて演説する映像が流れている。

 雄々しく堂々と、勇敢なる佇まいで世界の罪と与えられるべき罰について語る男の声が大聖堂にこだました。

 聞き慣れた声を耳にしたアンジェリカは言う。

「とてもうるさくて、やかましいほどに耳に響く声。けれど、こういう時だけは頼もしく見えてしまうから不思議なものだわ。ねぇ? 貴女もそう思うでしょう?

 うんー☆ そうだねー^^ こういうとき“だけ”はかっこよく見えちゃう。お喋りが過ぎるのがー、玉に瑕だけれどぉ」

 ころころと表情を変え、一人満面の笑みで語るアンジェリカは一歩、二歩とゆっくりルーカスに歩み寄り、とびきりの笑みを湛えて見せながら右腕を伸ばした。


『――殺されるっ!』


 今度こそ、その時がきたと思った。

 ルーカスは伏せ気味の顔でじっとアンジェリカを見つめたまま、内心で覚悟を決める。

 ところが、アンジェリカはルーカスの右肩に優しく手を置いて言ったのだ。

「怯えなくてもー、私は貴方には何もしないから大丈夫ぅ☆」

 貴方は最後まで、シルフィーの死について心の内でやるせなさを感じていてくれたのだから。

 言葉にはしなかったが、アンジェリカは本心からそう思っていた。

「だーかーら。もうここに来ちゃ、めっ! なんだよ?」

 直後、ルーカスが一度瞬きをする刹那の出来事である。先程まで目の前に佇んでいたアンジェリカの姿が遠い。

 遠くに佇む天使のような悪魔は満面の笑みを浮かべたままその場で両手を思い切り広げてくるくると回りながら無邪気に嗤っている。

 何をされたのかすら見当もつかぬほど一瞬の出来事に狼狽えつつ、しかしルーカスは自身のすぐ傍に倒れ込む少女の姿を見つけると、とっさに彼女へと手を伸ばした。

「ロザリア! しっかりしろ」

 空間転移。アンジェリカはわざと自身の近くから遠く離れたロザリアのところまで身体ごと転移させたらしい。

 何の意味が、何の意図があるのかは分からないが、間際に話した言葉を要約すれば、そう。要は【これ以上、関わるな】ということなのだろう。

 アンジェリカの考えに思いを馳せつつ、ルーカスは隣で苦しそうな呼吸をするロザリアの傍に寄り添った。

 光の矢とアイスピックで穿たれた両脚で立つことはままならず、両腕を地に付けて這うように上体を起こすのがやっとという有様の彼女は、擦れるような呼吸をしながらじっとアンジェリカを睨みつけて動かず、隣に誰が現れたのかなどまるで気付いてすらいない様子であった。

 普段の彼女には有り得ない状況に困惑しながらもルーカスは彼女の名を呼び続ける。

「おい、ロザリア!」

 そうして、幾度か彼女の名を呼んでいると、ロザリアはようやくルーカスの姿に気付いた様子で言った。

「ご無事で、何よりですわ。悲劇を食い止めようと、あの子に果敢に向かって行った貴方を、手助けすることも出来ずにわたくしは、このような無様な醜態を……」

「それは違う。あんたがいなければ俺はとっくに死んでいた身だ」

 ルーカスはロザリアの肩を抱きながらそう言うと、視線を彼女の怪我した部位へ向けて言った。

「無理して喋らなくていい。これ以上は傷に障る。怪我を見せろ」

 ポケットに常備している応急処置用の包帯などを取り出しながら、ルーカスはロザリアの怪我の様子を確認する。

 だが、ロザリアは彼の行動を制止して言った。

「お気持ちだけ頂きますわ。残念ながら、この身体は人間のそれとは違います。同じようであって、まったくの別物。言うなれば、人形と同じ。一度壊れたものを動かすためには、新しいものに挿げ替えるしかありません。ですが、今のわたくしの余力では到底叶うことではない」

 奥歯を噛み締め、何も出来ない自分の無力さに悔しさを露わにしながらルーカスは言う。

「ここまで来て、誰に何をしてやることも出来ないなんて。アシスタシアがやられるところも、ただ見ているしかなかった。無様な醜態を晒しているのは俺だ」

「アシスタシアのことはお気になさらずに。あの子はわたくしが生み出した、この世で最も優れた人形。言うなれば、わたくしの身体そのものより。この程度でどうにかなるほど、やわな造りではありませんわ」

 とは言え…… ロザリアには疑念があった。

 アンジェリカはなぜアシスタシアに止めを刺さなかったのか。いや、まさに今この瞬間にでも止めを刺そうと思えばいくらでも刺せるはずであるのに、なぜか彼女はそうしようとはしない。

 分かっているはずだ。アシスタシアが背中を貫き、腕を圧し折った程度で動きを完全に止められるような存在ではないと。

 では、なぜ?

 そこに意図があるのか、それともいつものようなただの気まぐれか。真相は永劫に闇の中といったところだろうが、先ほどからどうにも気に掛かって仕方ない。

 突き詰めたところで意味がないことは分かるが、そのことにアンジェリカは何らかの意味を持たせているのではないかと思えて仕方ないのである。

 ロザリアはホログラフィックモニターの前でくるくると楽し気に回るアンジェリカを目で追いかけ、その一挙手一投足をじっと見据えた。


 そうこうしている内に、やがてアンジェリカは大聖堂の中央で軽いステップを踏んで立ち止まる。

 ふわりとした仕草で聖堂に横たわる機構とヴァチカンの面々を見渡すと、実に穏やかな口調で言った。

「もう間もなく、罪の裁定が下される。誰も彼も、そこで寝転がっている貴方達には結局何をどうすることも出来なかった。そう、元々貴方達には可能性などというものが存在していなかったのだから。

 このまま正午を過ぎれば、未だ降伏の意を示さぬ国々に大いなる光の裁きはもたらされる。1か国ずつ、順番が良いかしら。それとも、全部まとめて?

 回避する方法はただ1つ。既に全世界の人々に伝えた通り。

 もし仮に私達の要求通り、大国の指導者たちがこの期に及んでようやく降伏の意を示したなら、貴方達の仲間が集ったセントラル3の尊い犠牲が、その他数十億の人々の命を救う重要なものであったということもできるのでしょう。

 同時に戦争で自国の兵士が数万人死んでも何とも思わない、物分かりの悪いお馬鹿な人々が崇高な決断を下す為には、それほどの犠牲が必要であるという証明ということもできる。

 憐れなものね。権威を持った人間にとって、いつだって大事なのは国家や国民ではなく、自己の保身であるのだから。

 そんな者達の作り上げてきた世界に、縋る意味などないと思うのだけれど」

 アンジェリカはそう言うと、くすくすと笑いながら後ろを振り返り、再びホログラフィックモニターに映し出されたヘリオス・ランプスィの放つ光に魅入って言った。

「あぁ、とても綺麗。美しくて、温かな光。あの光が幾重にも重なった光景は、それはそれは美しいものになるのでしょうね。

 淡く透き通り、それでいて白亜に眩しく。まるで夜が明けて水平線から顔を覗かせる太陽のよう。

 遠い遠い昔、暗い部屋の中にいた私は、静寂の夜に終わりを告げる朝日を、窓辺から差し込むその光を目にして泣いたことがある。

 その時どういった感情だったかなんて記憶にはないけれど、もしも今同じような光をこの目にすることが出来たなら、それはとても感慨深く、希望に満ちた光に見えるのだと思う。

 この光はそれと同じ。私達、共和国の抱いた希望の光。美しくて、温かくて、そして―― その光は私達の正義が間違っていなかったということを証明してくれるはずよ」

 そう言ったアンジェリカが声高らかに笑おうとした、その時である。


 大聖堂に至る5つの大扉の内、唯一無傷のまま残っていた扉が重たい音を立てて開くと、扉の外側から大人びて淑やかな、それでいて気だるさのある声が響いた。

「その通り! 実に素晴らしいことじゃないか。ボクの研究成果は、ボクの描いた理想のままにこの世界に顕現したというわけだ。ボクはずっと待っていた。ずっと待ち望んでいた。ボクに研究の世界を示してくれた、たった1人の“友”が残した研究が白日の下で輝く日を!」

「実の父親のことを友と呼ぶのも貴女くらいのものね? アビー。それと―― これから、今まさに決着ぅを付けようとしている危険な場所に足を踏み入れるのはー、めっ! なんだよ?」

 思いも寄らぬ来訪。突然、大聖堂に姿を顕したテミスの1柱であるアビガイルの姿を見たアンジェリカは彼女を窘めるように言った。

 そんなアンジェリカに対し、アビガイルは面倒くさそうな表情を浮かべつつも不敵な笑みを湛えて言う。

「まぁそう言うなよ。ボクだって好き好んでこんなところまで足を運んだわけじゃない。分かるだろう? 地が荒れ、砂埃が舞っていると分かり切っている場所に、どうしてボクが好き好んで足を運ぶと思えるんだい? 今だって脚が疲れ切っていてね。すぐにでも椅子に座りたい気分なのだから」

「ふーん、じゃぁなんで~?・_・」

「何の事はない。君に土産話を持ってきたのさ。ものぐさなボクが足を軽くして、わざわざ君に直接話をしに来たくなるほどに重要な、飛び切りの土産話だ。思うに、アンジェリカ。今君が最も耳にしたい話であると推察するが?」

「ふーん、何の話~?・_・」

 まるで関心が無いという素振りを見せつつも、しっかりとアビガイルの話に耳を傾けるアンジェリカ。

 すると、アビガイルの口から予想の遥か上を行く報告が告げられたのであった。

 アビガイルはゆったりとした歩調で聖堂中央に佇むアンジェリカに歩み寄りながら言う。

「ここは歩きにくいったらないな。それより、ボクのところに国連の連中が来たよ。そして、その“侵入者を始末した”。どうだい? 気に入る報告だろう?」

 確かに、アンジェリカにとって何を差し置いても欲しかった報告であることには違いない。だが、にわかには信じられないというのが第一の感想であった。

 行動を共にしていただろうフロリアンはともかく。あとの2人については、そう容易く始末できるはずがないのだから。

「ちょっと何言ってるかわかんないな~。貴女がマリアとアザミを?」

 訝し気な面持ちで言うアンジェリカにアビガイルは大きな溜息をついて言った。

「酷い話があったものだ。君がそう言うということは、連中がボクのところに至れば、ボクは確実に敗北を喫して殺されてしまうだろうというのが端からの君の見立てであったというわけだろう? その事実がたった今確定したわけなのだから」

「当然なんだな~☆ 私はアビーを信用しているし、そう容易く貴女が敗北を喫すると思っていないんだけども。でもでもー、反対にあの2人が容易く敗れるとも思えないっていうか? 一緒にくっついていたフロリアンは別として、ね?」

 薄ら笑いを浮かべながら言うアンジェリカの言葉に反応したのはジョシュアであった。

「フロリアンは…… 機構の隊員はどうしたんだ!?」

 声が聞こえた方へ、アビガイルは視線だけを向けて言う。

「ん? あぁ、君は彼の上官の。名前は、えっと。忘れた。むしろ最初から覚えていない。それはともかく、安心したまえよ。彼だけは存命だ。ボクには彼を殺す動機がないからね」

 そう言ったアビガイルは黒衣のポケットから何やらリモコンのようなものを取り出し、大聖堂中央に投影されているホログラフィックモニターに向けてボタンを押して話を続ける。

「諸君らは、ボクの預かる神域聖堂の二つ名を知っているだろう? 真偽の大聖堂 サウスクワイア=ノトス。故に、そこで起きた出来事を信じるか信じないかは全て君達次第だ。もちろん、アンジェリカ。君も含めてね。

 これは“記録”だ。今後の研究に向けた良いサンプルになると思って、急いで撮影したものだから映像美などというものは期待しないでほしい」

 アビガイルが言い終えると、モニターにはノイズ交じりのとある映像が映し出されたのである。


 そこに映し出されていたのは凄惨な光景であった。

 アビガイルが手に持った映像記録端末で撮影されたであろう動画。

 機械が奏でる陰湿なビープ音と、その動作音以外に響く音は無く、あるとすればアビガイルただ一人分の足音だけである。

 映像の視点がある一点に向けられると、最初に赤黒く染まる研究室らしき陰湿な場所に並び立つ巨大なビーカーが映し出された。

 その一部は粉々に破壊され、中の液体のおよそ半分が流出していたが、残った液体の中には黒いゴシックドレスを纏った人形のように愛らしい少女が沈められている。

 少女は光を失った赤い目を見開いたまま、力なく液体の中に沈み美しい金色の髪を揺蕩わせていた。

 さらにカメラの映像が右に向けられると、巨大な重貨物エレベーターらしきものが映され、地面と貨物エレベーターが密着した隙間からはおびただしい量の黒い液体が広がり、大人の女性らしき人物の下半身だけ飛び出ている様子が捉えられた。

 もちろん、その人物の上半身はどこにも見当たらない。考えられるとすれば、下半身の先にある重貨物エレベーターの――


 そこで映像はノイズと共に打ち切られた。

 離れた場所で、信じられないと言ったように唖然とした表情を見せるロザリア。

 言葉を失ったままの彼女や機構の隊員達を尻目に、アビガイルは静かな口調で語る。

「神か悪魔か、人か魔女かなどどうでもいい。ボクの仮説に狂いはなかった。

 既に神という立場を捨てたアザミという女は、契約を交わした主君たる存在が生きていなければ存在を維持することが出来ない。

 どれほど強大な力と無限の再生能力をもっていたとしても、仕えるべき主君を失い、挙句に脳と心臓を同時に潰されてしまえば、二度と再生することも叶わないだろうとね。

 そして何より。あの不遜な女。国連 機密保安局局長、マリア・オルティス・クリスティー。彼女はボクをただの力無き研究者だと見くびり、侮っていたようだが、結果としてそのことが大きな裏目にでたというわけだ。

 奴は正確な未来を視通すことに長けているらしいが、大事なことに気付いていなかった。ボクについて視える未来が、全て“錯覚”であるということに。目に見えるものが偽りであるわけではないが、かといって見えたものが与える印象が真実というわけでもない。

 要は、ボクの持つ力を見誤ったんだ。不死殺し、或いは神殺しの力はそこで地面に這いつくばっている総大司教や、向こうで寝転がっている修道女にしか使えないという思い込み。

 2週間前、君達がボクに一度力を見せた時点で、それは秘匿された神秘でも何でもなく、ただそこにある事実として模倣可能な代物に成り下がったというわけだ。アンジェリカの持つ絶対の法とはわけが違う」

 そう言ったアビガイルはアンジェリカに目を向け、先ほどと同じことを今一度言った。

「真偽の大聖堂で起きた出来事を信じるも信じないも君の自由だ。アンジェリカ。これでも一応はテミスの端くれとして、君に対する義理は果たしたと思っている」


 アビガイルが言い終えてから僅かに間が空いた。

 彼女をじっと見据え、何かを考え込むような素振りを見せるアンジェリカ。

 しかし、ふっと軽い溜め息をついて彼女は言った。

「そう。それなら、もう“アレ”に用はないわね」

 先程までの無邪気さはなく、浮かべていた笑みも消え去り、声の調子は非常に落ち着いたものになっている。

 ただ、彼女が何か重大な決断を下す際にはアンジェリーナの人格が表に出てくることをアビガイルは知っている為、特に何を思う風でもなく返事を返す。

「あとは君の好きにすると良い。せっかくだ。今後の研究の為にも、君が彼らを殺すことで何が起きるのか…… この目で記憶してから研究室に戻るとしよう」


 アビガイルが言い終えると、アンジェリカの姿が赤紫色の煙に包まれ消える。

 そうして、次に彼女が姿を顕したのは大聖堂に並び横たわる玲那斗とイベリスの目の前であった。

 棘の突き出る天使の光輪と、金色に輝く天使の羽を顕現させたままのアンジェリカは右手を天上に高く掲げる。

 すると、手の先には長剣を模した光の剣が現出し、彼女の手に握られた。

 アンジェリカは、手を握り合い並んで横たわる2人を見下すように言う。

「夢はいつか終わるものよ、イベリス。貴女の長きに渡る夢は、私がこの手で終わらせてあげるわ。貴女が千年にも渡り追い求めた、彼の死を以って」


 姫埜玲那斗、そして彼の内に存在するレナト王の魂。

 王家の守護石が失われた今。それらがこの世界から消失することで、現世との楔を失うことになるイベリスはもはやその存在を維持することが出来なくなる。

 千年に渡る長き夢の終わり。それでいて一瞬の煌めきの如く。


“汝、この一事を忘れてはならない。千年は一日のようであり、千年もまた一日のようである”


 そうしてアンジェリカは、天高く掲げた光の長剣をゆっくり下ろし、玲那斗の胸元へ突きつけた。



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