メランコリア・A －崩壊の冠－

* 1-3-3 *

“とあるデータベース”参照による情報開示

　閲覧者：アンジェリカ・インファンタ・カリステファス

MDCCLXVI - File code:WAPRO - XOC CXX TYPE:Open

【世界特殊事象研究機構 大洋司令 セントラル】

　機構の拠点。太平洋、大西洋、インド洋と世界三大大洋に各１か所ずつ、〈セントラル〉と呼ばれる巨大なギガフロートを所有している。

　各大洋ごとの名称は下記のとおりである。

・大西洋方面司令 セントラル１－マルクト

・太平洋方面司令 セントラル２－ケテル

・インド洋方面司令 セントラル３－ティファレト

　上記に示す内、機構の中枢を担う本拠地は大西洋方面司令セントラル１－マルクトと定められている。

MDCCLXVI - File code:WAPRO - AOC C1M 0022 Mark.ת TYPE:Open - Secret

【世界特殊事象研究機構 大西洋方面司令 調査チーム№0022 マークת】

　マルクトに所属する調査部隊の中でもエースチームと言われる22番目の隊。

　調査実績の中でも〈リナリアの怪異事件〉〈聖母の奇跡事件〉〈新緑の革命事件〉〈ウェストファリアの亡霊事件〉への取り組みと解決実績の評価は高い。

　西暦2037年9月時点で所属する隊員は下記のとおりである。

●ジョシュア・ブライアン

　階級：大尉（部隊長）

　出身国：アメリカ合衆国

　誕生年：1988年

　身長：188cm 体重：85kg

●姫埜 玲那斗（ひめの れなと）

　階級：中尉

　出身国：日本

　誕生年：2008年

　身長：176cm 体重：66kg

●ルーカス・アメルハウザー

　階級：三等准尉

　出身国：ドイツ連邦共和国

　誕生年：2008年

　身長：178cm 体重：67kg

●フロリアン・ヘンネフェルト

　階級：一等隊員

　出身国：ドイツ連邦共和国

　誕生年：2010年

　身長：174cm 体重：63kg

●イベリス・ガルシア・イグレシアス

　階級：三等隊員

　出身国：リナリア公国（Secret）

　誕生年：1018年（Secret）

　身長：165cm 体重：48kg

●アルビジア・エリアス・ヴァルヴェルデ

　階級：特務准尉（准尉補佐官相当）

　出身国：リナリア公国（Secret）

　誕生年：1018年（Secret）

　身長：167cm 体重：49kg

MDCCLXVI - File code:WAPRO - XOC C4D Providence TYPE:Secret - Classified

【全事象統合集積保管分析処理基幹システム 〈プロヴィデンス〉】

　世界中で観測された事象、及び研究成果などが収められた莫大な容量のデータベースと、それを超速で処理するスーパーAIにより構成される機構が誇る基幹システムの名称。

「神が全てを見通す目」「全ての事象は神の意思によるもの」の名にふさわしい情報処理能力を持ち、気候予測や災害予知はもちろん、送信されたデータから導き出される予測結果の演算など用途は多岐に渡る。

　気象予報などに関しては秒単位での気象状況変動を予測でき、〈予言〉と呼ばれる精度での的中率を誇る。

　調査活動に用いる際はいくつかの運用方法が挙げられるが、最も基本となるのは調査地にて採集した物質或いは地形データなどを要求によって分析処理させる使用方法である。

　分析に対して必要なデータはトリニティにより採集し、要求される内容に応じて即時に分析等を行い結果を返す。

　その為に必要な各種指示は専用のコンソールを活用するか、各隊員が所持する専用外部小型端末ヘルメスを使用する。

　システムの使用には制限がかけられており、使用者の認証や使用目的・履歴などは常時厳密に監視されている。

　データベースの参照や簡易的な分析などについては機構に所属する人間であれば常にオープンにされているが、高度な分析や規模の大きな演算を伴う処理については申請許可が下りない限り使用できない。

　予め決まった調査予定がある場合、調査に出向く隊員のヘルメスからの処理要求には随時応じるように許可が出されている。

（但し処理要求に対する難易度設定により、要求が弾かれる事もある）

　申請許可が下りていない場合における例外的且つ緊急で大規模な処理が必要な場合、外部端末であるヘルメスを通じて特殊認証を行うか、各セントラルのコンソールから緊急指示を出す事でシステムの使用が可能となる。

　尚、機構以外では当該システムの存在そのものが秘匿情報となっている他、本体の存在位置に関しては機構内でも秘匿情報となっており、実際にシステムが設置されている場所を知る者はほとんど存在しない。

　情報処理要求から演算結果の返答に関わる経路によって存在場所を逆探知することも不可能である。

MDCCLXVI - File code:WAPRO - Trinity TYPE:Open - Secret

【全事象統合観測自立式ドローン 〈トリニティ〉】

〈Open〉

　全事象統合観測自立式ドローンの名称。陸・海・空の３方における全環境自立行動能力を持ち、映像・音声・温度などあらゆるデータ採集を可能としている。

　飛行最大高度は現地の気象状況にも左右されるが、高度3,000メートルから5,000メートルを容易く飛行し、海中では最大深度300メートルまで潜航可能。

　飛行・潜航ルートや目的とする採集情報を予めプログラムしておくことで、完全自立行動による自動情報採集を可能としている。

　情報収集の為に機構の隊員が常時観測に手を取られる必要がないことから、調査活動の時間短縮に与える影響は相当に大きく、言い換えるとトリニティが存在することで機構の調査活動は成り立っているという側面もある。

　採集したデータはデータベースへ瞬時に送信登録される他、登録情報をヘルメスから確認したり、即座にデータを用いて分析処理要求をかけることも可能である。

〈Secret〉

　トリニティが採集したデータを送信する先はプロヴィデンスのデータベースである。集めた情報を即座にプロヴィデンスへ送信しデータ登録し、登録されたデータに対してヘルメスから分析処理要求があればすぐに活用することも可能となる。

MDCCLXVI - File code:WAPRO - Hermes TYPE:Open - Secret

【基幹システム連携 携帯型情報通信端末 〈ヘルメス〉】

〈Open〉

　機構の隊員に貸与される携帯型情報端末の名称。機構に所属する人間に対して必ず１つが支給される。

　メールや音声通信など隊員同士の連絡等のコミュニケーションに使用出来るほか、機構の管理するデータベースに登録されているデータ参照や簡単な分析を伴う処理を実行することが出来る。

　セントラルや支部内におけるIDナンバー等の役割も果たしており、これを持たない者や登録認証出来ない者は全員部外者とみなされる。

　ヘルメス本体には網膜スキャンを含む高度な生体認証によるロックがかけられており、登録者本人以外が使用することは一切出来ない。

〈Secret〉

　機構の所有する『全事象統合集積保管分析処理基幹システム 〈プロヴィデンス〉』へのアクセスが可能な携帯型端末である。

　簡易な分析処理要求から高度な分析処理要求まで行うことが出来る他、プロヴィデンスのデータベースに存在するあらゆるデータの閲覧も可能となっている。

　ただし、データベースに登録される情報の閲覧に関しては各隊員ごとに個別のアクセス権限が設定されており、段階に応じた情報閲覧しか出来ない仕組みとなっている。

　その他、プロヴィデンスを使用したデータ解析や分析処理要求については、従事する任務によって処理ランクの設定が為されており、ランク設定外の高度な要求は弾かれる。