第7話 クリスマスディナーに寿司はアリか

 クリスマスディナーのごちそうと言えば何だろうか。流石に日本国内で七面鳥を工面する人はそこまで多くないと思われるので、骨付きの鶏肉料理(フライドチキンとか)、ピザ、ローストビーフ。デザートならケーキだろうか。


 一方、クリスマスディナーはある種パーティー的な側面もあると思われるので、場合によってはオードブルやサラダ、グラタンなどの大皿料理もあるという人も少なくはないだろう。


 では「寿司」はどうだろうか。


 ギョッとする人も居るかもしれないが、家庭の単位で見れば割と居るんではないか、というのがおれの考えである。


 まずおれの場合だと、クリスマスディナーに自宅の食卓に寿司があることは何ら違和感のない光景である。寿司チェーン店などからテイクアウトしたり、スーパーなどで購入してきたり、モノによっては自宅で作ったりもする。たまに手巻き寿司もあったりする。


 画像検索で「クリスマス 寿司」などとしてみると、ケーキ然とした盛り付けのものや、チラシ寿司のようなもの、キャラ弁ならぬキャラ寿司など、意外と「アリ」だと思わせるような画像が並ぶ。また普通に生寿司もあったりするので、やはりそんなに珍しくはないのではないか、と思っているのだ。


 クリスマスの成り立ちから考えると、和食としての「寿司」は絶対におかしいんだけど、パーティーメニューとしてはむしろアリなんではないかと思う。つまんで食べられるし、バリエーションもあって、腹にたまる。生寿司だとクリスマスの飾り付けに対して情緒がないなどの感想は出てくるかもしれないが、みんなで食べられて楽しいという点においては、割とマッチしたメニューではないかと思う。


 まあ年末年始というのは和食の割合が嫌でも高まる時期なので、クリスマスもそこにかぶせちゃえというのも多分にはあるか。おせちや鍋料理など、子供が食べるには少し大人向けの食事が多くなるが、寿司があればいいだろう、という。


 ちなみに同じ米飯という点で言うと、最近は「パエリア」の人気も高いらしい。なるほど洋食だし、見た目もクリスマスに寄せられるし、調和はとれるかもしれない。でも俺は寿司だなあやっぱり。


 パーティーメニューという観点が有効なのであれば、チーズフォンデュやたこ焼きなんかもアリかもしれない。あと20年ぐらいすると、現時点では予想だにしないものをクリスマスに食べている可能性は多いにある。そう言えば、気の置けない友人宅ではクリスマスに焼肉をするのが風物詩らしい。既になんでもありそうだし、おれもクリスマスは明太子で米飯を食べよう。

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