第21話

私は鼻歌が出そうなほど機嫌よくキッチンに立っていた。




何を隠そう、今日は私の誕生日である。


私は初めてキッチンを使う日を誕生日と決めていた。キッチンそのものは早めに出来ていて、使用許可も降りていたが、せっかくの誕生日プレゼント、せっかくの初使用の日。私はそれを忘れられないものにしたかった。だから初使用日を誕生日に決めたのである。




その事を伝えていたせいか、前日にはパントリーも保冷庫もぎっしりと材料が詰められていた。


なんともありがたいことである。




「陛下には足を向けて寝られないなぁ〜」


私はパントリーを覗きながら呟いた。




ちなみに、キッチンには誰もいない。


ここは離れの中にあるので、監視が必要ないと判断されたのだろう。


キッチンがあれば私は離れから出る理由は早々できないと思われる。


私は離れから出ない、侍女や近衛達は私の監視が必要なくなる。キッチンのおかげでwin-winの関係性ができそうだ。




「何を作ろうかな〜」

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