第39話 絶対に奴隷だったと言わせるなよ?(圧)
「はぁ? 獣人国のお姫様だと?」
ギルドハウスにて、ゾイズさんにユユのことを説明すると心底驚いた顔をされた。
「まぁ確かに銀髪だしなぁ……。このお姫様は今までどこにいたんだよ」
「しばらくは森を探索していたのですが、怪我したところを運悪く奴隷商人に捕まってしまって……そのまま奴隷オークションに出される寸前でした」
「だそうです」
ユユの過程を聞いた瞬間、ゾイズさんの顔が真っ青になった。と思えば僕の肩を掴み。
「いいかクロウ。獣人国に行ったら獣人国に行ったら絶対お姫様に奴隷だったと言わせるなよ?」
「お偉いさんが怒るからですよね。ちなみに言ったらどうなるんですか?」
「間違いなく、戦争になる」
それはダメだ。
周りのギルドも怯えたようにこちらを見ている。
「ちなみにうちと獣人国、どっちが強いんですか?」
「数と実力も圧倒的に獣人国だ。あいつらの身体能力は計り知れん……。あくまで想定で考えて欲しいが、ガルガとホルスくらいの実力者がゴロゴロいるって感じだ」
「確かにそれはヤバい」
そういえばガルガとホルスも獣人国出身だったね。
「獣人国に行くのは認めるが、今回は全員で乗り込むのは禁止だからな? つか、サキュバス国に何故全員で乗り込んだ」
「いや、サキュバス国の時は……みんなが勝手についてきたんですよ」
「だろうな。だが今回はちゃんと少人数で行ってもらうぞ。クロウがここで決めてくれた方が俺が把握できて助かる」
「じゃあ決めますか。大会に参加できるのは男のみだし、僕とガルガとホルスは確定でしょ」
流石に男だけだとユユが可哀想なので女性も誰か連れていくか。
「あとは……ユユのお世話をしてたフェルでいいんじゃない」
「ユユ様よろしくお願いしますね」
「フェルさんがお傍にいてくれるなら安心です」
「それ以外はお留守番。ちゃんとルルの指示に従うんだよ」
と、言うと不服そうな顔を向けられた。
そんなに行きたいのか。
「なら残りは私の方で借りてはダメだろうか」
「あ、セリス」
背後から声がしたと思えば、赤髪を靡かせたセリスとシエラの姿が。
「セリス……」
「久々ぶりだな、ルルシーラ。他のみんなも。依頼を早く終えて暇なんだ。だが、他のメンバーは違う依頼に行っていて私とシエラしかいない。そこで
「高難易度の依頼をスムーズにこなしてくれそうな組み合わせで、ギルドハウス側としても助かるが……後は
「いいよね、ルルシーラ」
ルルはしばらくセリスの顔を見た後、はぁと息を吐く。
「……仕方ないわね、みんな行きましょう」
「やったね。
「うん、頼んだ」
こうして僕、フェル、ガルガ、ホルスの4人で獣人国に乗り込むことになった。
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