お風呂とテスト


 ーー綾香ーー


 私が先に服を脱いでお風呂に入ってから詩乃ちゃんも服を脱いでお風呂に入ってくる。さすがに着替えを一緒には恥ずかしい。まぁ一緒に入っといてなにを言ってるんだって感じだけどね。


「やっぱり綾香さんの大きいわね」

「あんまりじろじろ見ないでよ?」

「この育った果実を見ないでどうしろっていうの」

「私的にはもう育たなくてもいいんだけどね」


 冬夜くんを誘惑したり色々するには十分なサイズなので成長しなくていいのだが最近少し下着がきつくなってきたのでまだまだ私の胸は成長をしているらしい。


「私に分けてくれてもいいんだよ?」

「詩乃ちゃんも十分あるでしょ?」

「私は少し大きい程度よ、綾香さん程じゃないわ」

「あるだけいいじゃない」

「それはそうだけど……近くに大きいのがあると欲しくなっちゃうじゃん!」

「ひゃっ!」


 後ろから両胸を急につかまれて変な声を出してしまう。


「ちょ……体ぐらい洗わせて……」

「……仕方ないから湯舟に入るまで我慢してあげるわ」

「そうして……」

「代わりにその立派なもので洗ってくれてもいいんだよ?」

「それは冬夜くんに初めてをあげてからね」

「くっ……」


 そんなに悔しがる?と思ったけど確かに冬夜くんと一緒にお風呂に入るのはかなり先になるだろうし悔しいのかな、と納得してしまう。


「さっさと体洗うよ?」

「んっ……!?」


 悔しがってる詩乃ちゃんの背中にボディソープを垂らして驚かせる。それからお互いに体を洗い始めた。



ーー冬夜--



 綾香が風呂に入ってる間に俺は適当に勉強をしていた。適当といっても綾香の問題集とかを借りて片っ端から解いているだけだけど。


「高2でこんな問題したっけな……」


 教育の進化を感じながら問題を解いていく。高2でやった記憶はなくても難しいというわけではないのでほとんど詰まることなくどんどん解いていく。数学などは途中を一切書かずに答えだけ書いて写してるのかと疑われたことを思い出して懐かしくなったりする。実際はすべて頭の中で終わらせただけだけど。


 集中して(綾香たちが気になるので頑張って意識をそらして)やっていたので気づけば時間が経っていることに気づかなかった。ふと喉が渇いたなと立ち上がったら綾香たちがソファに座っていることに気づく。


「あれ、お風呂いつの間にあがったの?」

「ちょっと前だよ、冬夜くん集中してたし声かけても気づかなかったけど」

「完璧にスルーされましたね」

「それはすまん」

「いいよー、ゆっくりする時間が取れたし」

「そっか。それでテストしてもいいか?」

「うん、いいけどテストって?」

「あぁ、昼に俺が作ったテスト」

「え?」

「あの、お兄さん。今なんと?」

「昼に作ったって……それが?」

「教師の経験でもあったんですか?」

「いや、一切ないよ。けどテストぐらいなら作れる。まぁ期末よりは難しいだろうからこれができたら期末は余裕だぞ」

「なんですかそのハイスペックぶり」

「ちなみに全教科分あるぞ」

「「それはほんとにおかしい」」


 2人に声揃えて言われたけどそこまでおかしくないよね?だって問題数多くないよ?一教科にそこまで時間使ってないし……多分作りなれてる先生ならできるよ。


「さて、どの教科からやる?」

「私は自信のないやつからしたいな」

「私もそれがいいです」

「おっけ。じゃあ最初は?」

「とりあえず数学」

「私もそれで」

「あいよ」


 テストを2人に渡して制限時間等の指示をする。


「問題はそこまで多くないし30分が制限時間な、2人とも早く終わったらその時点で答え合わせに入る」

「うん」

「まぁできるようには作ってるからそこらへんは安心して頑張ってくれ」

「はい」


 こうして数学のテストからテストの時間が始まった。






 30分が経ちタイマーがなるとともに2人の緊張感が抜けていく。


「これ難しくない……?」

「難易度を侮ってましたね」

「そんなに難しかったか?」

「解けないことはないぎりぎりって感じ」

「私もそんな感じです」

「それならよかった。んじゃ答え合わせするぞ」


 2人に答えを見せて答え合わせを始めていく。


「さて、どうだった?」

「92点だった」

「89点ですね」

「それなら本番は大丈夫そうだな」

「本番がこのレベルなら私は絶望だよ」

「本番がこのレベルなことはないだろうし大丈夫だろ。んじゃ解説やるよ」


 2人が間違えた問題や少し怪しかった問題を中心に解説をしていく。2人とも理解力が高いため教えたことをすぐに吸収するため教える側としてはとても気持ちがいい。


 解説を終えて一区切りついたところでいったん休憩を入れる。


「お兄さん教師やったほうがいいですよ。イケメンだし教えるの上手なので絶対人気でます」

「それがありそうだから絶対なったらだめだよ?」

「意見の分かれ方がすごいな」

「実際教えるのは上手ですからね」

「2人の理解力が高いだけだと思うよ」

「いいながら人に合わせて教え方変えれるんでしょ?」

「そりゃそうするだろ」

「それができる人はなかなかいないよ」

「教師って難しいからな」

「冬夜くんの異常さがわかってよかったね」

「なんか負けた気がする」

「テストでも私が勝ったし、頭撫でて欲しいな」

「それぐらいならいくらでもするよ」


 綾香の頭を撫でながら休憩時間を過ごす。


「……私今からでも帰っていいですか?このまま2人にイチャイチャされると死にます」

「じゃあ見せつけてあげようね、冬夜くん」

「それもいいな」

「この2人鬼畜なの!?」


 そうして賑やかに夜は更けていった。

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