第28話 魔力が増えたような気がする
メルドアを召喚した時は、総魔力の半分以上を持って行かれた。
しかし電化製品をいっぱい召喚した時は、全然思ったほどじゃなかったんだよね。
その時はアイテム召喚で呼び出した召喚獣だから、ストックした後は呼び出した時の消費魔力が軽い仕様なのかと思ったけど、これがもしメルドア並みに魔力を消費していたとしたら・・・。
「俺の総魔力がめっちゃ増えてるとなると
でも何で突然魔力が増える?
いっぱい召喚獣をストックしたからだろうか?
いや、カブトムシやメルドアを召喚獣にした時は全然増えた感じがしなかった。
それに最近までアイテム召喚を続けていたけど、その後は魔力がスッカラカンになって毎回気絶していた。
なので、おそらく異変が起きたのは電化製品をストックした時・・・。
そもそも無機物を召喚獣に出来るってのが意味不明現象だからな。
何か変なことが起きても全然不思議じゃねえもん。
しかし魔力が減るならまだしも、増えるってどういうことだろう?
いっぱい召喚獣にしたから成長したって可能性もあるけど、あまりにも成長しすぎな気がするんだよね。
魔力が増える実みたいなヤツを吸収した?
いや、電化製品とか爪切りとか無機物ばっかだし。
「・・・マヨネーズか!?」
いや、マヨネーズを食ったら魔力が増えるとか、これはこれで意味わからんな。それに1本分丸々飲み干したわけでもないし。
ほんとマジでわかんねーーー!!
最近変なことばっかやってるから、心当たりが多すぎるんだよ!
別世界からアイテムを召喚できるのがまずおかしいし、大技すぎるせいか全魔力を放出して毎回気絶するし。
・・・・・・ん?
何か引っかかった。
『全魔力を使って召喚したアイテムをストックする』
もしかしてこれか?
うわ!マジでこれかもしれねえ!!
気絶するほどの魔力を使って呼び寄せたアイテムをストックしたことで、召喚時に使用した魔力が俺の身体に返還されたとか?
その際に発生したオーバーフロー現象で、魔力の総量を押し広げたりしたのかもしれない・・・。
ショタスペックだから全魔力といってもすごい量ってことはないと思うけど、俺がストックしたアイテムは20個以上だ。すなわちショタ20人分とかだ!!
なんかちょっと怖くなって来たぞ・・・。
魔力が増えすぎてパンクしたりしないだろな!?
でもまあ今んとこ体調が悪いとかそういうのは無いし、神様が作ったボディーがハイスペックであることを祈ろう。
あっ!
魔力がゴッソリ残ってるってことは、まだアイテム召喚できるんじゃないか?
怖さはあるけど、検証しないわけにはいくまい。
「アイテム召喚!」
・・・・・・発動せんな。
条件って魔力量じゃなかったの?
いや、魔力が足りない時はアイテム召喚できなかったわけだし、魔力量以外にも更に何かもう一つ条件があるのだろう。これも要検証だな。
しかしどうしようか・・・。
かなり強引な手段による魔力の増量は、身体に負荷をかける可能性がある。
5歳にして植物人間とかになるのはちょっと洒落にならん。
でもこれは一気に魔力を増やすチャンスでもあるんだよ。
仮説が正しかったらの話だけどさ。
―――それからしばらく、ショタの可愛らしい頭で考えまくった。
そしてとうとう結論を出すに至る。
「こんないつ死ぬか分からん屋敷に住んでるくせに、ビビッてどうする!!」
神が作ったウルトラボディーを信じろ!
きっと普通の人間よりも高性能なハズ。
あのファンキー野郎のムカツク顔が脳内にカットインしたが、すぐに嫌なイメージを振り払い立ち上がった。
やるからには徹底的に魔力を増やしてやるぜ!
魔力お化けになるか壊れるかの大勝負だ!
魔力が満タンの時にストックしまくった方が効率的だから、しばらくは部屋にアイテムを溜めまくろう。それまでは魔力を使い放題だぜッ!!
「よーし、じゃあメル・・・」
メルドアを召喚しようと思ったけど、彼は屋敷が大嫌いなことを思い出した。
うん。家電をいっぱい出してもしゃーないし、普通にクエクエでもやるか。
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一夜明け、今日の分の仕事(ガールハント)も終わり、召喚士の話を聞くためにライガーさんの所へと来ていた。
「虫は召喚獣になんか出来ねえぞ?」
「えーーーー!じゃあ最初は動物を召喚獣にするの?」
「動物も召喚獣には出来ねえな。召喚獣に出来るのは『メ+$ワ』だけだ」
また知らん単語だ。
あ、ちなみにサモンビーストって呼び方が違和感バリバリで好きじゃないので、『サモンビースト』って単語を脳内で『召喚獣』に変換しております。
「メ+$ワってなあに?」
「ん?ああ『メ+$ワ』を知らんかったか。えーとなあ、人を襲うような凶悪な獣のことだ。身体にデカい魔力を保有しているのが特徴で、普通の動物なんかとは強さが桁違いだ!クーヤも『メ+$ワ』には気を付けるんだぞ?」
おそらく魔物のことだよな。
やはり思った通り、そういう理由でマッチョにならざるを得なかったんだ。
・・・ん?でもその馬は?
「馬は?」
「俺の召喚獣なんだから、当然『メ+$ワ』だぞ?実はこう見えてかなり強い。コイツを召喚獣にするために俺は身体を鍛えに鍛えたんだ!」
マジか!!俺の知ってる馬よりも更に凶悪な馬を、生身の肉体で撃破したのか。
流石マッチョだけのことはあるな。きっと血の滲むような努力をしたのだろう。
「へーーーーー!!えーと、カブト、じゃなかった。ガジェムは?」
「ガジェムを知ってるのか!!ありゃあ非常に危険な『メ+$ワ』だぞ。目で追えないような速度で飛ぶし大木をも貫く硬さだ。ヤツらの通り道にだけは絶対に近付いちゃならねえ。そういや、通り道と知らずに屋敷を建てた馬鹿な貴族もいたっけな」
あ、それ俺の家っス!
そうか・・・、やっぱりあそこは貴族の屋敷だったのか。
たぶん何も知らずに屋敷を建てた後、カブトムシ到来のシーズンが来て、狙撃屋敷となってしまったのだろう。まあ可哀相な話ではある。
「ガジェムを召喚獣にするのは無理なの?休んでる所を捕まえるとか・・・」
それを聞いたライガーさんが少し考えたけど、すぐに結論が出たようだ。
「休んでる場所ってのはヤツらの通り道だから、近寄ったら死ぬぞ?それにアイツらって5匹で飛んでるだろ?俺の聞いた話では、その中の1匹に危険が迫ると他の4匹が襲い掛かって来る習性があるらしい。だから召喚獣にするのはまず無理だな」
そりゃたしかに無理だ。ってことは、カブトくんを5匹セットで召喚獣にすることが出来た俺って、やっぱり超絶ラッキーマンじゃん!!
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