孤独で嫌われ者の吸血鬼美少女を助けたり庇ったりしただけで、彼女の永久お婿さんとして迎え入れられてしまい、毎日のヤンデレ吸血でベッドから出られない

//古びた屋敷のなか、傷ついた少女が座っている


……なんだ、お前は


もしかして、私をいじめに来たの?


……とっとと帰って


面白いことなんてなにもないから


それに、もうボロボロ……お前が手を加える場所なんてない


なんだ、その目は


哀れんでいるの?


ふふっ、面白い冗談


私が吸血鬼だと知っているでしょう?


お前とは違う種族、違う存在なの


お前はお前の町のむすめを愛でていればいい


それとも、私に血でも恵んでくれるっていうのか?


最近では感染症がどうたらこうたらうるさいが、お前にそんなことができる勇気があるのか?


…………なに?


僕の血でよければ、だと?


今さら人間から施しを受けるなんて……


さっさと失せてちょうだい


私は今まで独りで生きてきたの


これからもそう……ずーーっと独り


でも独りのほうが気楽だ……


お前みたいなやつと、関わらなくて済むからな


……なんですって?


いじめるやつにも追いかけ回される……?


言うじゃない、人間


すこし、驕りが過ぎるんじゃないかしら


さっさと失せなさい


そして二度と来ないで


お前の顔を見るだけで、腹の奥底から怒りが沸いてくるわ


さぁ、早く!


//後日


//古びた屋敷にボロボロに傷つき倒れた少女がいる


……な、によ……まだ、やる気……?


……ぁ……お前……


二度と来るなと、言った、でしょう……?


それをまた、のこのこと……


……さぁ、消え失せて


お前と喋る気分じゃないの


……なに?


血をあげる、だって……


施しは受けないと、あれほど……


//自ら腕を切って血を流す


なっ……なに、してるのよ!


お前、自分の腕を切って……


……そんなことをして、私に吸わせようと言うつもり?


……おあいにく、さまね、ははは……


こんな傷、放っておけばすぐに、治るわ……


お前は、ただ、自分で自分を傷つけただけ


愚か、人間……


ぇ……


私の痛みを知れたから、いい……?


ば、バカなことを……


お前に私の何がわかる……


お前には、一生わからない……


……知りたいから、噛んで吸血してくれ?


……ああそう


しつこい、人間……


なら、こっちに来なさい


私直々に、痛みを教えてあげる


泣いたって許さないから


//右耳に近づき


じゃあ、噛むぞ……


//右至近距離吸血

ちゅっ、んむぅっ、あむ、んちゅ、ちゅうぅぅぅぅぅ、ちゅうぅぅぅぅぅ……


ぷはぁっ


……ふぅ、傷も癒えたか……


ほらみろ、もう傷跡もなにもないだろう?


よし、もう行っていいぞ


……なんだ? なにか不満か?


……あ、あぁ、そうだ、それでいい


お前は私に血を吸われるためだけに来たんだ


あくまでお前の意思であって、私が礼を言う必要もないからな


さぁ、用は済んだだろ


さっさと帰れ


~~~~!


なんだと! また来るとかいちいち言わなくていい!


ったく、調子が狂う……


ふん!


//後日、いじめられている現場


うぃ……ぐぅっ!


ひぐっ、ぐぅぅ……!


……な、なんだ、お前……!


助けに来なくていい! 私は高貴な吸血鬼なんだ!


だから、だから……


なに?


その前に、1人の、女の子……?


な、ば、なにをバカなことを!


そんなこっぱずかしいセリフ、二度と口にするな!


っていうか、お前まであとで手にかけられるぞ!


……そんなのはいい?


お前……何をいってるんだ……?


私なんかを、庇って……


…………


どうしてそこまでするんだ……?


……あぁ、聞いた私がバカだった


そうか、そうだったな


全く、訳のわからないやつだ


……礼は言わないからな


//立ち上がり


私は帰る


……え? 血?


……はぁ、わかった


お前のために吸ってやる


この、変態め


//近づきながら

お前じゃなきゃ、すぐ追い返してるのに……


//右至近距離吸血

んぅっ、ちゅっ、ちゅるるるる、んむぅ、んちゅ、ちゅううううっ


……ぷはぁ


ったく……


これで二度目か……


どうしようもないやつだな


それじゃ、じゃあな


//場面転換


…………遅い


来るのが遅いんじゃないか?


ほら、お前のせいで、私はこの傷で苦しんでいた


早く首を出せ


お前の血が飲みたくてたまらないんだ


//近づき


ほら、早く……飲ませろ


//右至近距離吸血

ちゅっ、あむ、あむ、んちゅううううう、れるっ、んちゅっ、ちゅるるる、れろぉぉ……


ふふ……旨い


やはり、お前は私のために生きているんだな


飲み心地に、血の味わい、とても素敵だ……


……だから、考えたんだ


いちいちお前に帰られては困る


私がそちらへ行くのも面倒だし、来てもらうのも時間がかかる


だからお前、ここで暮らせ


もちろん、永遠にだ


だが、悪いようにはしない


人間の食い物はやろう、娯楽も嗜んでいい


だが、これから毎日、わたしのために血を捧げろ


いいな?


……生活があるから遠慮する?


はは、何を言っているの?


お前の血は私のためにあるのでしょう?


だったら、私のものにしたって構わない……そうだろ?


……はぁ、今さら何を言い出すんだ


お前、私にさんざん付きまとって、血を与えておいて、いざというときに断るなんて許されないからな


……ふふ、ふふふふ


今までずーーっと独りで生きてきた私に、お前は何をしたと思うの……?


孤独を忘れさせて、甘い快楽をもたらしてくれた……


それを手放すなんて、できるはずがない


//襲いかかり


ふ、ふふふ


私は吸血鬼……


血を吸いつづけていれば、力も元通りというわけ


愚かね……私に与えていたのは血だけだと思っていたのかしら


お前を好きにできる腕力


お前を自由にできる財力


そして……


//甘く囁き

お前のことが好きになってしまった、この心……♡


ふふふふ……逃がさないよ?


お前は今日から、無理やりにでも私の婿になるんだ


嬉しがれ、泣いて喜べ


ふふ……どうやらその気じゃないらしいが……


今の私の前では、無意味


もっと血を吸えば、大人しくなるだろう


ふふふふふ……


では、誓いの吸血だ


お前は今日から、私の婿だ……♡


//吸血

ん、ちゅるるるるるっ、んむぅ、あむ、あむ、あむぅ、んちゅるるるる、ちゅるぅっ、んむぅ、はむ、あむ、あむぅ、んちゅるるるる……


んふふふ、もうくったりして、私に体を預けるようになったんだな……♡


大丈夫だ


さぁ、私たちのためのベッドへ、このまま連れていってやろう


くふふふ……ふふふふふ♡


//右至近距離囁き

私をこんな風にしたんだ……今まで通り、お前が体を張って、愛してくれるよな?


//場面転換、ベッドルーム


くふふふ……おはよう、ダーリン?


夜の吸血の時間だ……♡


あは♡ どうしたの?


もしかして、出せない?


赤いの、びゅーーって出せないの?


大丈夫♡ 死ぬギリギリの、意識がふわふわととろけそうになる寸前でやめてあげるから……


ふふ、いただきます……


//吸血

んちゅっ、じゅるるるるるるぅぅぅぅ♡ んむぅ、はむ、あむぅ、んちゅるるるっ


ぷはぁ♡


ふふ……この世で一番愛おしい人の体液が、喉の上をゆっくりと撫でていく……


どろりとした濃い液体が、舌をざわつかせる……美味だと


ふふ……美味だと


たくさん、美味しいものを食べさせている甲斐がある血だ……


私の愛はどうだ? 美味しいだろう?


ふふ、力が抜けて声も出せないか♡


まぁそれも、楽しみのひとつ……ふふふ♡


お前が吸血されている間の表情は、とても愛おしい……


けれど、その微かに残っている色は嫌いだ


それだよ、私を怖がるような瞳……


お前は私のことが好きなんだろう?


だからあんなにも私のために尽くしてくれたわけだ


……私の感情をどろどろにとかすくらいに


……だから、今すぐその表情をやめてくれない……?


今まで通り、私を愛している目に戻っておくれ……


……そうか、ダメか


なら、仕方ない


私が、真っ赤に染めてみせよう


赤い夢に閉じ込めて、やがてピンク色へと変色してゆく……♡


ふふふ……最高に気持ちのいい夢で、私にもう一度、恋心を抱かせてやるからな♡


素敵、でしょ?


……そう、まだその目


//低音囁き

君には選択肢はないんだ……そう、これから溺れさせてやるからな……♡


ふふ、ふふふふ♡


さぁ、心の準備はよろしいかな?


君が育てた、私の愛……全部、受け止めろ♡


はぁむ♡♡♡

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