吸血鬼の屋敷に通い続けたら復讐することになった
……また来たのか、貴様
ここが誰の屋敷か……
はぁ……さすがにわからんとは言わせないぞ?
もう何度目だ……
またくだらん話に付き合わせるつもりか?
私は不老不死の吸血鬼
貴様の話など、大昔に聞いたことがあることばかり
多少時代の色が伺えるが、ただその程度だ
それでも私に会いたい?
……ふん、全く
私は貴様の見世物ではないんだがな
……まぁ、いい
今日も血を捧げるから私と一緒にいてくれとか言うつもりなんだろう?
私としては、わざわざ人を襲いに行かなくて済むからな……
あ? なんだって?
いつ吸血鬼になれるのか?
おいおい、そんな話を真に受けているのか?
あれはな、私側にそうさせる意思がなきゃならん
はぁ? どうして貴様を吸血鬼にする必要がある?
私と同じ存在になりたい……?
ははははは
なにを言い出すかと思えば
//低音有声囁き
自惚れるなよ、小僧
私が女だから、優しいとでも思っているのか?
それとも同じ存在になれれば相手にされるとでも?
はんっ、馬鹿馬鹿しい……
愛するというのは種族が違えどなせるはずなのだ、愛があれば
まぁ、貴様にはそれがあるようだが、私にはない
残念だったねぇ
まぁ、幸い私には時間が無限にある
そんな私に限りある時間を時間を使って、今日も頑張って奉仕してくれたまえ
じゃあまずは、血をいただこうか……
はぁむ
//吸血、省略化
んっ、あむ、あむぅっ、ちゅっ、ちゅっ、んく、んく、んく、んく……
ぷはぁ
さて、代償はいただいたから、少しだけ暇潰しに付き合ってあげよう
今日はどんな面白くない話かな?
//場面転換
はは……
やぁ……
ふふ、こんなときに来るとはね
私の死に際にこんな仕方のない人間とは……全く、私もついてないな
あぁ、そうさ、これは君と同じ人間にやられた
なに? 復讐してくる?
ははは……今一番、面白い話を聞いた気がする
皮肉だな……人間の敵である私がやられたら、その敵討ちは人間である貴様がしてくれるのか
全く……私にも焼きが回ってきたな
まぁ、そうだな……ずいぶん長く生きた
今回くらい、こんな面白いことに付き合ってやらんでも、ない
貴様の血を限界ギリギリまで飲めば、私はまた復活できるだろう
貴様はその復讐の代償になにが欲しい?
私と同族になることか?
この屋敷にずっといたいか?
……私を貴様の嫁にでもするか?
はは、迷うのか
だが良いだろう、特別大サービスだ
//甘く無声囁き
全部、くれてやる
ふふ……意外か?
そうか……なら少しだけ、私から話をしておいてやろう
私も、君を好いていた……途中からは愛していたんだよ
毎日ここに来ては愉快な話をしてくれる……ふふ、君に惚れていたよ
けれど、種族が違う
ははは、種族が違えど愛があれば関係ない、か
私はそう言ったな
だが、現実は違う……そう、私はその違いを恐れていたんだ
はは、吸血鬼様がこんなことに怯えるとはな
だから、その罪滅ぼしもかねて、だ
私は君を受け入れるし、この後の長い間、夫として接してやる
そして、念願だったんだろう? 吸血鬼になること
さぁ、おいで? 我が夫よ
吸血鬼にしてやるから……
ちゅ……
//吸血、省略化
んっ、んくっんくっんくっんくっ……
ふぅぅ……
……ふふ、優しい我が主人
涙するな
私はあなたと共に、いつまでもここにいるよ
あなたのお陰で、私はまだ生き続けられる
そして今日からは共に生きよう
私と共に、永遠に復讐し続けよう
ふふ……よろしくな? 旦那様♡
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