気になるあの子の夏祭りを解いたら

あっ、奇遇じゃ~ん♪


あれあれ、君ってお祭りに来るようなキャラだっけ~?


んふふ、冗談冗談♪


友達と来たの?


へぇ、そうなんだ


私は女友達と来てるんだけど……んー、どこに行っちゃったのかなぁ……?


まあ、いいや


それでね、実は私も一人なんだよねぇ~


せっかくだし一緒に回らない? やった! じゃあ、いこっか!


//歩きながら

わぁ、すっごい人混みだねぇ……


やっぱり夏はお祭りに来なきゃ~ってのはあるけど~、こう人が多いと大変だよねぇ~


はぐれないようにしないと……ね?


えっと……手、繋ぐ?


じゃ、じゃあそうしよっか、君がそう言うんなら、ねっ


はい、ぎゅ~……っと


…………


ん~?


あれあれ、どうしたのかな~?


さっきから様子が変だけどぉ……私の顔に何かついてる~?


そっか、なら良かった……


ううん、なんでもないよ、なんでもない


ただ、ちょっと君の顔が見たくなってね


ふふっ、気にしないで


ねぇ、今、いい?


あ、うん


あのさ……私のこと、どう思ってる?


ただの知り合いとかって感じかな?


それとも……あ、いや、なんでも……


そ、そーだっ


この着物可愛いでしょっ


ふふーんっ、ちょっぴり大人なスタイル♪


帯巻くのも大変だったんだよ~?


お母さんにも手伝って貰ってさぁ、しかも意外と、きつくって


あはは~……


だから、もうそろそろ、帯解きたいなぁ……なんて


ね、そろそろ疲れてきてない?


けっこう歩いたし、お互いに友達も見つかんないしさ


だから、その~……


ほらっ! あんた男でしょっ! なんか気ぃきかせてよっ


え、ホテルで休む……?


ぅ、ぅん……そう、しよっか……


あっ、いやっ、だってこんなところじゃしょうがないもんね、ゆっくり休めないしさっ


だから、男女でホテル入っても別に、私たちだし……


じゃ、じゃー早くいこっ、自由になりたいんだぁ


//場面転換


ふぅ~


あ、じゃあ帯解くの手伝って~


そこ、うん、そうやって


あとはじゃあ、私がくるくる回るから、帯持ってて


//回り始め


あはは、なんか楽し~


あれ、これって昔なんだかやってたよね?


悪代官様がさ、遊女の帯を持って引っ張ってさ


あ~れ~って回されて、


ふふ、そんな感じするでしょ?


//回り終わり


ふぅ、楽になったぁ


……それでさ、さっきの続き、だけど


帯を解かれた女の子はさ、目が回ってるワケ


だからこうして、ぺたんって床に座ってさ


……男の人はこの後、どうすると思う?


あは、黙っちゃうんだ


……でも私、君なら良いと思ってるよ


どうする? ホテルにお金払っちゃったし


このまますぐ出ちゃうの、勿体なくない?


……それに、私たちが二人きりっていう今も、あんまりない気がするし


んふふ、どうもしないの? 優しいなぁ、君は


//甘く無声囁き

でも、私としては来てほしいな


うん……いいよ


ふふ、君のもなんだか元気そうじゃん


したいんでしょ? いいよ


っていうか、して欲しいな


//甘く無声囁き

ほら、来て? 帯を解いた責任、とってよぉ……

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る