ヤンデレ高身長むちむちメイドは絶対に解雇できない

それではご主人様


お食事です、どうぞ


あーん


//きょとんと

……? どうか、なさいましたか?


え? もうあーんはいやだ?


//ぴしゃりと

ご主人様


そう我儘を仰っても、食事は進みません


どうか、私の手から召し上がってください


//低音有声囁き

それとも、また再教育が必要ですか?


良いですか?


ご主人様は若くしてこの家をお継ぎになられ、今も立派に役目を果たしておられると確信しております


……が、やはりお若いがゆえに、まだまだ学ぶべきところは沢山ございます


例えば、ご主人様は本当に必要なことだけに注力し、それ以外には私に全てをお任せするべきだと


ですからそのために、私のように、ご主人様でも軽々と持って差し上げられるような高身長、絶対的な腕力、それに体格の良さを兼ね備えているのです


おわかりいただけましたか?


はい、こうしてお食事でもご主人様のお手を煩わせず、ご入浴でも全身くまなくお掃除して差し上げ、お手洗いもご主人様の……


はい? あぁ、失礼いたしました


まぁ、そういうことですので、ご主人様は何卒、ご自身のことに集中してくださるよう……


はい、ではご理解いただけたところで、お食事を再開いたしましょう


はい、あーん


//場面転換


それではおやすみなさいませ、ご主人様


//ベッドに入り


//抱き締め

ぎゅぅぅぅぅぅ……


……? なにか?


//ため息

はぁ……またですか?


……前にも一度、申し上げましたが……?


私の、この柔らかい体を抱き枕にしていただくのも良し、私の人肌で暖まりながら眠りにつくのも良し


今日は、私自身がご主人様をお守りするように抱きしめて、ご主人様の苦悩を全て取り払って差し上げているのです


とにかく、全てはご主人様の為です


ですので、ご主人様は気にせず、ごゆっくりお休みください……


やめてくれ?


こればかりはご主人様の命令でも聞けません、全てはご主人様の為なのですから……


……は? うんざり?


何が、でしょうか?


もう解雇する?


……それは、本気、ということでしょうか?


//低音

本気も本気、真面目な話、ということでよろしいですね?


全く……ご主人様は、真面目とおふざけの分別もつかなくなってしまわれたのですね……


とても嘆かわしいことです


ですから、私は辞めるわけには参りません


……ご主人様は僕?


ふふ、ふふふっ……


ご主人様が、そのようなことを仰るわけがないじゃないですか


私をクビにするようなご主人様はいません……


だって、ご主人様は私を愛しているはずですもの


ご主人様は私のご奉仕がどれもお気に入りのはずです、目覚めのご奉仕も、お食事も、ご入浴も、お休みのときも!


……なのに、どうしてそんなことを仰る人の言うことを聞かねばならないのですか?


そう……あなたは今、精神病患者と同じです、ただ狂ってしまっているだけなのです


ですから、僭越ながら私が治療して差し上げますね……?


ふふ、こうして、上に乗っかって……


あら、抵抗はダメですよ? と言っても、今のご主人様は病んでらっしゃるから通じませんね、失礼いたしました


どうぞ、気の済むまで抵抗してください


けれど私の体には一切通用致しませんので


……ふふ、けれど、私の心には結構来るものがありますよ……?


ですから、私としてはご主人様に色々と請求したいものがあります


ご主人様の寵愛、ご主人様の体、ご主人様の心、ご主人様の……全て


んふふ、嫌とは言わせませんよ


それ以外ではもう満たされません


//低音無声囁き

仕方がないので、ご主人様の恥ずかしいお世話も私のお仕事にしますね

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