ヤンデレ女王蜂「逃がさない」

んん~! つかれたぁ~!


疲れたときには~……えいっ!


むぎゅー……はぁ~……


あなたに抱き着いてると、すっごく落ち着くよぉ~。


ねぇねぇ、聞いてよ。


今日、人間が襲ってきたんだよ~。


結構大勢いたからびっくりしちゃったなぁ。


どうして、ここがわかったのかなぁ?


ちゃんと隠してあるんだけどなぁ……


(囁き)ね、なんでだろうね?


まぁ、あんなやつら、私とあなたの娘たちでやっつけたけどね!


かすり傷もなく、圧勝!


……あんなやつら、中には一歩も入れさせない、


わたしとあなたの愛の巣を、汚させたりしない……


(囁き)だから……安心して、ここにいていいからね。


あ、そうそう、


万が一のことがあるから、


もう、あなたはこの部屋から絶対に出ちゃだめだからね。


なんでって……話、聞いてた?


なんでか、ほんっとうにわからないけど、


この巣を襲ってきたやつがいるんだよ?


だから、不用意にこの部屋を出て、その間にあなたになにかあったら……


わたし、どうしようもなくなっちゃうかもしれない……


(低音)やつらを根絶やしにするまで、わたし、やるから。


なんでも使って、あなたの敵討ちに行くから。


だから、あなたはここにいること!


大丈夫、あなたは何も心配しなくて大丈夫。


食事も、トイレも、昼も、夜も、ずっとここで、私がやってあげるから。


娘たちも、もうかなり数が増えて働いてくれてるしね。


じゃ、とりあえず私はまだ少し用事があるから……


また寂しい思いさせちゃうけど、我慢、してね。


大好きだよ、あなた♡


(場面転換、逃げたところを捕まる)


あれ……あなた。


なんでこんなところで、娘たちにつかまってるの?


あぁ……そっか、


寂しくなって飛び出してきちゃった?


ちょっと、長くいなくなっちゃってたもんね。


よーし、よーし……ぎゅー……


(囁き)……だったら、よかったんだけどなぁ……


ねぇ、なんで助けを呼ぼうとしたの?


なんで逃げようとしたの?


そっちは私のいるところじゃなくて、出口だって知ってるよね?


……なんで、あいつらにここを教えたの?


なんでって、知ってるよ?


巣の中もそうだけど、巣の外も、何匹私たちの子どもが飛び回ってるか、知ってる?


はぁ……


さっき、ちゃんと警告してあげたはずなんだけど……


分からなかった?


あれれ、分からなかったかぁ。


でも、もういいよ。


演技も嘘も、もういいから……


あなたたち、お父さんに毒を刺してあげて。


分からず屋のお父さんには、娘たちからもお仕置きしてあげなくちゃだからね。


さ、ゆっくり、たぁっぷり入れてあげてね。


…………んふふ、


痺れるどころか、身体の感覚なんて何一つなくなっちゃったでしょ?


さ、おとなしくなったところで…‥


さ、あなたたち。


私がこのお馬鹿さんを部屋に連れて行くから、すぐに全員集めなさい。


(部屋へ連れていかれる)


さて、私たちを裏切って、逃げようとしたあなたには……


とりあえず、身体の自由はもう取り上げちゃうね。


ほら、部屋の外、見える?


あなたはあんまり実感がなかったと思うけど、


こんなに私たちの子どもがいぃ~っぱいいるんだよ?


私とあなたが、たぁっくさん愛し合った証がこんなに……


ねぇ、覚えてるよね。


最初は嫌がってたけど、最後はわたしを求めて、すっごく気持ちよくなってたよね……。


イヤイヤ言ってても、身体は正直だったよね……。


子どもができてからも、すごく激しくってさ……♡


なのに、全員を裏切って……。


もう、私たちのこと、飽きちゃったの?


だから、逃げようとしたの?


ひどいよね。


パパは、私たちの愛情がわからないんだね。捨てようとしたんだね。


だから、毎日、この子たちの愛情が分かるように、


毒を刺し続けてあげる。


今日からずぅっと、私たちの毒にむしばまれ続けて、


私たちを感じることができるんだよ?


(囁き)ほら、喜んで? 口角を上げて、ニコって笑わせてあげる。


あははっ、ほらみんな!


お父さんがみんなに囲まれて笑ってる!


お父さんは、これからあなたたちの毒をたくさんもらえることになって、嬉しがってるねぇ!


とりあえず、今日は死ぬギリギリまでみんなに刺してもらおうね。


襲われた時の恐怖をあなたにもわかってもらえれば、


もうあんなこと、せずに済むと思うし。


じゃあ、ほら……服なんか、もう脱いじゃおうか。


もう、お外にも、どこにも行く必要なんかないんだもん。


そんな薄い布切れなんか、わたしとあなたの間にはいらないよね。


そして、消えない愛のしるしとして、


全身くまなく、刺し跡で埋め尽くしてあげる。


泣いても無駄……。


私だって、……ほら、涙の跡……見える?


さっき、枯れるまで泣いたんだから。


そのことを知った時も、きっとあなたは違う、きっと、子供の見間違いなんだって、自分に思い込ませていたのに……。


でも、もうこれからはそんなことはなくなるから。


あなたも、身体を流れる血が私たちの毒液に変わって、


毒なしじゃ生きられない変態さんに調教して、


この愛の巣でしか、生きられない体にしてあげるからね。


ほら、十数人で、一気にいくよ……


んふふっ、ぶす、ぶすって刺さってる。


それでもうめき声一つ上げられないあなた、健気で可愛い♡


どんどん行くから……気を失っちゃだめだよ、狂っちゃだめだよ。


正気で、私たちの愛を受け止めさせ続けるから……。

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