第59話考えただけ無駄であろう
「な、なるほど。 それは凄いな?」
「そう、凄いんですのよっ!!」
もう、俺は何がなんだか分からないのでシャルロットの思うがまま流されようと思う。
おそらく考えただけ無駄であろう。
しかしながら、その波は大波もお大波である事だけは分かるので変なところへ流されてシャルロットから離れないようにしなければと思うのであった。
◆
最近ブレットが何か決意したような、覚悟したような、そんな雰囲気を醸し出す時が多くなった気がしする。
かと思ったら、今度は何だか煮え切らないような、一歩踏み出す勇気が持てず尻込みするような雰囲気を醸し出すではないか。
一体全体何を考えているのだろうか? わたくしの婚約者様は。
こればかりは婚約者であるわたくしにすら分からない。
わたくしの婚約者は行った、何をしようとしているのだろうか?
あぁ、婚約者。
わたくしの婚約者。
そう、ついにブレット側の親族からの返事が返ってきて、わたくしとブレットとの婚約を承諾するという有難いお返事を頂き、晴れてブレットはわたくしの婚約者と、そう
わたくしの婚約者。
あぁ、なんと甘味な響きであるか。
ぶっちゃけ、今のブレットの情緒不安定な様子など、あまり気にしていなかったりする。
なんなら『わたくしの婚約者』というフレーズをただ使うために利用しているまである。
それでもわたくしの大事な婚約者であるのだから、心配は心配なのだが、おそらく目まぐるしく自分の環境が変わっていっている現状について行けていないのであろう。
正式に婚約が決まり、タリム領は飛ぶ鳥を落とす勢いで急成長をし、そしてタブレットでの会議。
もしわたくしがっしくブレットだったら今この現状に脳がついて行けていない自信はある。
婚約だけで精一杯なのに、理解の範疇にない事ばかり起きている現状がのしかかるとわたくしだってっしくブレットのように情緒不安定になってしまう自信はある。
とりあえず今は、そっとしておくのがベストだろう。
ここで変に刺激して、余計にブレット、又の名をわたくしの婚約者を困らせては本末転倒であろう。
とにかく、今は目の前の事に集中である。
今ブレットと一緒に向かっている場所は、新しくできる学校の教師候補を一箇所に集め、その人達に向けて算盤の使い方を教えに向かっているところである。
そもそも教える側が使い方を知らないと話に張らないので学校が建設するまでの短期間でみっちりと叩き込むつもりなのでしっかりとついて来て欲しい。
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