第42話てやんでい
「ふふっ、わたくしも随分舐められたものですわね。 『お米の食べ方を分かるのか?』ですって? 分からないでかっ!! てやんでいっバロめーこのヤローッ!!」
「ど、どうした急にっ!?」
おっと、元日本人であるわたくしに対して『お米の食べ方を知っているのか?』と余りにも失礼な事を聞かれたわたくしは思わず少しばかり我を忘れてしまったみたいである。
「お、おほほほほほっ! な、何でもございませんわよ? ブレット。 わたくしはいつも通りでございます」
「いや、明らかに今お前おかしかったろ? まるでシャルロットじゃない別の誰かがお前の身体に乗り移ってしまったのかと思ったぞ」
「お黙りなさい。この話を次にしたら明日はないと思う事ですわ」
「お、おう。 すまん」
全く、これでも一応はわたくしの、こ、こ、ここここ、婚約者という立場(まだ正式には婚約していないその場限りの口約束のようなもの)であれば婚約相手であるわたくしの少しばかりおかしな言動や行動など見て見ぬ放りして流して欲しいものですわね。
「んん、それで、お米の食べ方なのですけれども、とりあえずはママゾンでお米を二キロと、それに合うおかずを既に見繕って購入しておりますので一度作り方を見ていただき、そして主食して頂こうかと思っておりますわ」
「それを先に言ってくれよ」
「いう前に指摘したのはブレット、貴方ではなくて?」
「すみません」
「よろしい」
そしてわたくし達はキッチンへと向かい、お米の炊き方を一から説明していく。
と言っても既に精米されているお米なのでやる事と言えばお米を水で洗ってあとは炊くだけである。
「ふむ、パンよりかは簡単なんだな」
「こねる必要が無いというのは、女性には嬉しい事ね。 洗うだけなら子供でもできそうですし」
「それでも炊くのは随時窯の中を確認できるパンよりかは、炊き上がるまでは開ける事ができないお米の方が難しいですわね。 それでも慣れてしまえば簡単ですわ」
「おいシャルロットっ!!鍋から泡が出て来ているのだが大丈夫なのかっ!?」
「大丈夫ですから黙って見ていてくださいな。 そうですわね、ここまでくればあとは数十分蒸して完成ですわ」
そしてやいのやいのと会話をしながらだとあっという間にお米は炊きあがったようで、緊張しながらわたくしは今回のために特注で作った炊飯窯の蓋を開ける。
するとそこには白い煙と共に綺麗に炊き上がった白銀に輝く白米がそこにあった。
ぶちゃけて言えば今回のお米については何だかんだ理由を並べてはいたものの、とどのつまりわたくしがお米を食べたいという一点であったのだ。
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