第232話 生まれた場所は違えど
その瞬間、モーリーとカレンドールに電流が走る(ような気がした)。
「そ、そそそそそ、それは破廉恥ではなかしらっ!?」
そしてカレンドールは私の大作戦を想像したのか『だめですっ!』『いけませんっ!』と顔を真っ赤にしながら抗議して来るのだが、顔を真っ赤にしてしまっている時点でむっつりスケベである事は確定しており、同じ穴の狢と言えよう。
ただ、興味はあるしそういう行為を想像もするのだが、それ以上に羞恥心が勝ってしまった結果『やらない』言い訳をしているだけに過ぎない事はバレバレである。
その為普段のロジハラもかくやという切れは無く、ただただ『はしたないから』だとか『淑女としてどうなのか』だとか口うるさい母親のような言葉しか出てこないのであろう。
むしろ顔を真っ赤にしながら軽くテンパっているカレンドールの姿は珍しく、少しだけ可愛らしいとさえ思ってしまう程だ。
「なら仕方ありませんね。 ではカレンドールは一人お留守番で、私とモーリーで夜這いを掛けますね」
「えっ!?」
「だって、カレンドールはリターンよりもリスクを考えた結果この『ドキドキッ!! 同級生三人の美女から夜這いかけられちゃったッ!! これはもう辛抱たまらんッ!! ここで襲わなければ男じゃないっ!!』を辞退するのですよね? その決断は私は尊重しますので攻めたりはしませんから気にしなくて大丈夫ですよ?」
「そ、そうではなくて……」
「あ、でももしカレンドールさんもカイザルさんを夜這いしたいと思った時は一人で頑張るしかなくなってしまいますが、それも大丈夫でしょう。 夜這いをしなければいいのですから」
そして私とモーリーで夜這いをかけに行くと言うと、まるでカレンドールは捨てられた子犬のような表情で私を見つめて来るではないか。
普段見せないカレンドールのそんな表情に私は思わず、少しだけ意地悪してみたいという感情が湧きあがてしまい、意地悪な対応をしてしまう。
「そ、それではこれより私はモーリーと夜這いを成功させるための作戦を……」
「…………っ!」
そして、カレンドールを置いてモーリーと夜這いについての作戦を練る為に部屋を出ようとしたその時、カレンドールが私の袖をつかんで離さないではないか。
「わ、わたしも……行くわっ」
更にカレンドールは袖をつかむという攻撃の他に顔を真っ赤にしながら自分も行くと言うではないか。
か、可愛いっ!! そして罪悪感がっ!!
「すみません、すこしだけ意地悪な言い方をしてしまいましたっ!! それでは、カレンドールも一緒に考えましょうっ!! 三人で夜這いしましょうっ!! 生まれた場所は違えど身籠る時は三人一緒ですっ!!」
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