第26話#陽斗side


レコーディングスタジオ。


航は全て終わって、次が俺の番だった。







今年は、シングルを連続リリースする。



今回が二枚目だけど、俺はこの楽曲を聴いたとき、震えた。


新鮮なサウンドに、「やっと来た。これだ。」と体中に電流が走ったようだった。







この曲で、さらに高みを行きたい。


メンバー全員、同じ気持ちだった。






周囲からストイックだと言われるけど、俺自身にとってはまだまだ足りない。


俺には本当に、これしかない。

そう思って、いつも歌っている。


だから、彼女に見てほしいと思った。








「要さん、お願いします。」



ブースから出てくる航と入れ替わりに入る。


航が、すれ違いざまに目を細めて肩をポンと叩いてくれた。







頷いて返す。

お前の歌は、本当にすごい。



だけど、俺も負けない。


このplanetというチームのために、俺は絶対に負けない。









知らない番号からの着信に気づいたのは、レコーディング後AM1:00のことだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る