第442話 やっと出発できるようです? (9)

「そうなの、エルさん?」と。


 マコがエルへと問えば。


「うん」とエルは頷き。


「私はもう二度、自分の故郷で暮らそうとは思わないもの。只の里帰り。旅行、ピクニックとして行くだけならば良いけれど。遊びとなればこちらの娯楽施設の方が楽しいし……。特に今少しずつ増えているカラオケボックスだっけぇ? あれって本当に楽しいし。フ〇バ等のレンタルビデオ屋に言っても好きな映画やアニメ、特撮ヒーロー物のビデオが一日中時間も忘れるくらい見られるから楽しいよ。こちらの世界の方が……。それに板床や大理石の床の上よりも畳の上で素足の方が気持ち良いから。私は日本人として暮らす方が楽しい」と。


 エルがマコや零、ヤンキー姉ちゃん、お嬢ちゃん達へと説明をすれば。


「そうなの?」

「ふぅ~ん、そうなんじゃ?」

「じゃ、日本で遊んでいる方がえぇんじゃ?」

「うん、そうみたいじゃぁね?」

「じゃ、日本で暴走行為をする方がえぇんじゃねぇ?」

「うん、そうみたいじゃねぇ」と。


 副長、特攻隊長のマコと零に続くようにヤンキー姉ちゃんやお嬢ちゃん達が自身の腕を組み首肯しながら。僕はそれはいかん! だめなことだろう! と思うことを納得し始めると。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る