第206話 元勇者様の疑問? (1)
「エルさん私ね、一君とお付き合いをしている最中に、今の旦那とお付き合いをしたの。でっ、その後に、お腹に子供が。洋子ができているからと。家の旦那と出来ちゃった婚をしたの。私ね……」
「えっ? 嘘ー? じゃ、美紀さんは、一樹とお付き合いの最中に、浮気をして、洋子ちゃんを身籠り。今の御主人と出来ちゃった婚をしたと言う訳なのぉっ⁉」
「うん、そう。そうなの。実はね……」と。
大変に申し訳ない顔──。
一度自身の顔を上げてエルへと説明をした美紀なのだが。
エルに説明をし終えれば、彼女の驚愕、驚嘆を見て聞くと。
また慌てて俯き始めるのだ。
自分自身の過去が。
そう、大変に凄いと言うか?
破天荒な昔話しをエルに聞かせると、彼女が余りにも驚愕をするものだから、美香自身も恥ずかしくなり。
また俯き、身を竦め、震え、涙をポロポロと流しながら。
「……なのにね、家のひと。そこまでして手に入れた私とね。そんな私が産んだこの子を、自分の子じゃないからもういらない。それに? 他の男と浮気を直ぐにして、夫以外の者の子を身籠るような女は御免だ。もういらないから別れてくれ。離婚をしてくれと催促、告げてくるの。私自身、家のひとと結婚の最中に浮気など一切していないのに。こんな酷い事を平然と告げてくるの。一君と私を別れさす時は、『俺が絶対に美紀の事を守ってやる! 幸せにしてやるから! 男と別れて俺の所にこい!』と力強く、優しく、言ってくれた。あれ程告げてくれたのにね……。私の方があのひとに騙されたの! 家のひとが言った言葉は、全部嘘偽りだったのよ! エルさん!」と。
美紀は俯き、嗚咽を漏らしながらエルへと、自身の夫への不満を漏らす、嘆くのだ。
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