第166話 エルフな勇者さまは、日本で商いを始めました!(5)

 でっ、進めたところで、パートのお姉さま達が、どんな感じ、様子かと申せばね。


「お兄さん、結婚をしたんじゃねぇ」


「はい。そうです」


「いつ、したん? 先月お兄さんが売りにきた時は、お姉さんは、おらん、かったよね?」


「はい。そうですね。先月こちらの店舗さまの方で販売をさせてもらった時は、家の妻はいませんでした」


 まあ、僕が、パートのお姉さま達にエルのことを問われたので淡々と説明をすれば。


「そうじゃろぅ。そうじゃろぅ」


「確か、おらん、かったよね。みんな?」


「うん、おらん、かった」


「おらんかったよ」


「うちもみんかった」と。


 パートのお姉さま達は、ワッと、騒めき始め。間が少し空けば。


「お兄さんの奥さん。金髪碧眼じゃけぇ。何処か他所の国のお嬢さんじゃろぅ?」と。


 パートのお姉さま達が、売り場。販売ブースに立ち。相変わらず食品トングを使用しながら呼び込み。試食を、お客さま達へとしながら。ニコニコ「どうですか~? いかがですか~?」と、試食をしている。してくれているお客さま達へと問いかけながら。初めての商い。販売。売り子。お仕事を楽しんでいる家の元勇者で将軍さま。伯爵令嬢の上に、エルフで宇宙人な奥さまのことをチラチラと横目で見ながら嬉しそう。と、言うか? 


 パートのお姉さま達は興味津々に、夫の僕へと詰め寄り、覗き込むような勢いで、エルの出身地は何処国なのだと問いかけてきた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る