第70話 僕の押しかけ女房は昭和らしく?(2)
「……陛下と言ったら。陛下ですよ。あなた」と。
エルさんは、自身の顔を上げ、僕に説明をすれば。また盛りのついたメス猫のように優艶に甘えてくる。僕の理性が飛びそうなくらい。
それも彼女は、僕の物だろうと思われる、薄いピンクのボンタンジャージの上だけを着衣……。
そう彼女の腹部の下は、何も着衣をしていない状態だから。
「エ、エルさん! エルさんは何で、ジャージの下は履いていないの? スッポン、ポンの状態じゃないか?」と。
「昨晩、君が着衣をしていた甲冑はどうしたの?」
僕は、最初は驚愕しながらエルさんへと不満をもらした。でッ、し終えれば。
僕はエルさんの腹部の下──。大〇な箇所、フ〇フサな箇所をついついガン見し、鼻息荒く。「はぁ、はぁ」と、彼女が昨晩着衣をしていた鋼の甲冑の事を尋ねてみると。
「陛下~、あなたが脱がして、私を裸体にしたのでしょうに。可笑しな事を聞きますね?」と。
エルさんはケラケラと笑いながら僕に首を傾げてくるのだが。
その姿がね、本当にメス猫のように可愛くて、僕は仕方がないのだ。
特にエルさんは、宇宙人仕様の、笹のように尖った耳を持つ、松本零〇先生の作品のヒロイン様──。
メー〇ルや〇雪みたいに綺麗でサラサラ、麗しい金髪の髪を持つ美しい女性だから。僕はエルさんに首を傾げられると。本当に自身の顔がだらしなく緩んで仕方がないよ。
だって僕は、幼少期の憧れである銀〇鉄道9〇9のメー〇ル様、宇宙〇艦ヤ〇トの森〇様のリアルバージョンと言って良い美貌を持つエルさんを手に入れた訳だから。
僕は自身の顔を緩ませ、目尻を下げ、鼻の下を伸ばしつつ。
「そうだったね、エルさん……。君の着衣していた洋式甲冑は、大変に汚れていたから。僕が脱がして、君の身体を濡れたタオルで拭いたのだったよ」と告げ。
「俺、ちょっと、あの辺りの記憶の方がところどころ飛んでいるから本当にごめんね、エルさん」と。
「だから先程も俺が君へと告げた言葉は、言い訳とかでもなく。わざと君をたぶらかしていた訳でもないんだよ。僕が宇宙人さんの君へと一目惚れしたのは本当の事で。僕の奥さんになってくれるのならば。俺は本当にエルさんの事を心から大事にするよ」、
「……じゃないか? 絶対に俺はエルの事を大事にするから。俺のお嫁さんになってください。お願いします」と。
僕は絵里さんへと嘘偽りない想いで……。
そう、先程も僕が告げた通りで、実際あの辺り……。
僕がエルさんの事を彼女の許可もなく、自分の物にした記憶が無いのは本当の事……。
そう、まるで僕の中に、もう一人の自分がいるのではないか? と、僕が本気で思うくらい。その時の大事な記憶が飛んでなくなっているのだよ。
でも先程エルさんに証拠となる物……。僕の物を見せてもらったから。エルさんが僕の事を騙し、揶揄していると言う事もない。
だからこのエル《ひと》、宇宙人さんは……ではなく。
僕のエルさんは精霊種のエルフのハーフ様らしいから?
エルさんは神々しい女神様、天女様になるみたいだけれど。
それでも僕とエルはもう既に夫婦の契りを終えている訳だから。
僕が今エルへとおこなった愛の告白を聞いて。僕の女神様、仏様は「はい」と頷いてくれて。
「ちゃんと幸せにしてくださいね。陛下」と。
僕にエルは甘え声音で告げてくるから。
「ああ、分っているよ。俺必ずエルを幸せにするからね」と告げ。
今度は僕がエルの柔らかい唇へと、自身の唇を重ねつつ。僕はそのままエルを押したおしたのだ。昨晩から数えて三ラウンド目になる夫婦の愛し合いを始めるためにね。僕は自身の妻エルを強引に押し倒したのだが。
やはりエルの言う通りで。女神様は、もうすでに僕の物だから、エルは何の抵抗もしないで安易に受け入れてくれたから。
僕はやっぱり、リアルメー〇ル様を手に入れたと再度自覚をしつつ。僕はこの後も数度、エルが気を失うまで愛し続けたよ。時々魔王って何だろう? と、思いつつ。
(【魔王】ってもしかして、世紀末の恐怖の大王の事なのかな?)と。
僕はこんな余計な事を考え、思いながら。
だから僕は、その度にエルに『陛下が他の事を考えながらしている。もう許さない~!』と呻り、吠えられ、本当に噛まれ──。
僕は絶叫を上げつつも、エルが僕の許から離れられなくなるぐらい頑張ったから。
エルは異世界のエルフ様だけれど、偶に里帰りをするぐらいでね。
後は日本で、僕等は夫婦仲良く暮らし、沢山の子孫を残しながら余生を送ったよ。
僕の女神様はね。
◇◇◇
(一部完)
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