第69話 僕の押しかけ女房は昭和らしく?(1)

【一樹】


「御免なさい、あなた、痛かった? 苦しかった?」と、女性の優しい声音が、僕の耳をとくすぐるように聞こえてくるから。


「いいえ。いいえ。大丈夫。大丈夫です」、


「あっ、はははっ。だからそんなに俺に誤らないで、と言うか? そんなに俺の事を心配しないで……と言うか? 宇宙人さんは、そんなにも俺に無防備に甘えても平気、大丈夫なのですか?」


 僕は、自身の耳へと甘噛みやキスばかりをしては、優艶に甘えてくる宇宙人さんへと、にへらと笑いながら尋ねれば。


「……ん? 陛下から私が、そんなに甘えても大丈夫なのか? と問われても。陛下はちゃんと私に責任をとってくれて、妃にしてくれるのでしょう? この私、勇者エルの事を? だから私の方は全然問題ないです」と、彼女……。



 そう、宇宙人さん事勇者エルさんは僕に、う〇星や〇らのラ〇ちゃんみたいに優艶に甘えながら言葉を返し、尋ねてもきたから。


「うん」と僕は頷き。


「あっ! 宇宙人さん」と告げた後に。


「エ、エルさん?」と。


 僕は彼女に『宇宙人さん』ではなく。自分の名前は【エル】だから、エルと呼んでくれと。僕は先程彼女に叱られたばかりだから、自身の顔色を変え、慌てて宇宙人さんから、エルさんへと呼び名を変え、言葉をかけ直すと。



「……ん? 何、陛下?」


 エルさんは僕に対して優艶に甘え、貪る行為を辞め──。


 自身の麗しい金髪と碧眼……。大きな笹のような耳をつけた小さい顔を上げ──。


 僕の顔をウルウルと、お酒にでも酔ったような顔をしつつ、甘え声音で尋ね返してきたから。


 僕は少しばかり動揺をするけれど。


「エルさん、陛下って誰?」と。


 僕は昨晩、一目惚れをした、人間とは違う。


 う〇星や〇らの、ラ〇ちゃんみたいに美しい容姿を持つ、宇宙人のエルさんへと首を傾げたずねれば。



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