第66話 謝罪(3)

『うん、いいよ。わかった! 今日から、君は僕の妻だ! 今後は二人で仲良く暮らしていこう』、


『そして子供の方も計画的に作ろうね』と。陛下は私に快く告げてくれた。


 だから私は、『やった! やった! やった!』と。

『陛下愛している!』と。


 私は歓喜しながら、彼の背から抱きつき、甘え。陛下が人の姿だと言う事を私はすっかり忘れ、彼の首へと回していた自身の二の腕を、嬉しさの余り、力を入れてしまい。


 ボキン! グッ、ギン! と良い音……。



 そう私は、悪気はなかったのだが、陛下の柔な首をついつい絞めすぎて、彼の首の骨を折ってしまい。


 私の夫──。陛下は他界! 冥府へと誘われてしまったと言う訳で御座います。


 だから私は、『どうしよう?』、


『どうしたら良い?』、


『一体どうすれば良いの~、私はぁ~?』と。


『皆~!? 誰でも良いからぁ~。私は今後どうすれば良いのか教えて~? 教えてください~?』と。


 私は先程、自身の口から声を出しつつ、一人慌てふためきながら、部屋中を駆け回り続けた。


 するとポンだ!


 私の頭の中で何かが閃いた。


 と、言うか?


 私は思い出したのです。


 そう、私のようなエルフの聖騎士、ナイトは、最大の奥義である蘇生魔法、リザレクションを使用できる事を思い出した。


 まあ、思い出したのですが。この特殊魔法は少しばかりと、言うか? かなりの難がありまして、大人の男女の関係にある、大変に仲慎ましい者同士でしか発動できない。


 そう、恋人同士でも、お手々繋いでだけの、仲慎ましい関係では大変に難しい。


 だから私は、『どうしようか?』と、思案をする。でも直ぐに私は、自身の手をポン! と叩き。そして閃き──。


「あっ! でも、私と陛下は別に、その辺りの事は、問題はないではないか」と独り言を漏らす。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る