第33話 3-3(2) テレビ出演
ターミネーターがマシンガンをセットする。
なにか、ほんとに大丈夫か?みたいな顔をしてるが
俺も栄三さんも英語を喋れないので、わからない。
剣也は閻魔を握る。
「やっぱりしっくりくるな。」
そして試し打ちが始まった。
バババババッ!
標的の板は木っ端微塵に消し飛んだ。
すごい威力だな。
これでゴム弾なのか?普通に死ぬが。
「じゃあ剣也君! 撮影行ってみようか。」
「はぁ、失敗するわけにはいかないな。」
そして、マシンガンと剣也の死闘?が幕を開ける。
マシンガンの速度は、秒速400
思考加速100倍でも4メートル、時速にすると12キロ
安全をとって200倍にして速度を6キロにする。
うん、これなら簡単に当てられる。
そして1発目を弾いたとき、鳴り響く金属音。
「山口さーん!
ゴム弾もってきました! あと連射速度調整する整備士さんも!」
ドジっ子っぽいアシスタントが玉を持ってきた。
「え?」
栄三は、何を言ってるんだ。という目でみるが、
意味が分かり、冷や汗が止まらない。
「は?」
剣也は、鳴り響く金属音を聞いてもしやと思う。
「これって」
「もしかして」、
「「入れ替わってる!!」」
直後剣也は、護りの剣豪を発動する。
一瞬たりとも気が抜けない。なぜなら本当に死ぬ。
前前前世とまではいかないが、ここが前世の最後の記憶になりかねない。
思考加速を300倍に上げ集中する。
身体能力10倍。
そして降り注がれる破壊の礫
分間600発のその弾丸の雨が、容赦なく剣也を襲う。
護りの剣豪がなければ、正直死んでいた。
人間の限界を超えた動きで全ての銃弾を弾く弾く。
冷や汗の止まらない栄三は、ただただ感嘆し、空いた口が上がらない。
「すげぇーー」
漫画や、アニメのようなその光景は、
感嘆の声しか漏れない。
人間があれほど早く動けるのか。
やがて、雨は止む。
時間にして10秒ほど続いたその破壊の嵐が過ぎ去る。
そこに立つのは、黒い刀を携えて
全ての銃弾を弾いた剣也の姿だった。
しかし剣也は気づいていない。
いや。誰も気づいていなかった。
1発だけ、たった一発だけ、弾き損ない少しだけ太ももをかすったことを。
しかし剣也は気づいていない。
なぜなら、痛みがなかったからだ。
そんなはずはない。
剣也の身体は、ただの人間。
身体能力と思考速度は上がっているとはいえ、ただの人間
傷つかないわけはない。
しかし、そこに、一切の傷はなし
なぜなら
弾丸ほどの大きさの
その時点では、まだ誰も知らなかった。
魔獣を倒せるのは神の子だけ。
その言葉の裏にある意味を。
神の子は、悪魔の子にもなることを。
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