西征(八)

 九月三日深夜。

 月明かりの下で、火矢をサレ家の兵舎に向かって撃ちこもうとした[ソルジエ・]コミラの兵は、その前にアイリウン指揮下の兵に先手を打たれ、射殺された。

 そこからは一方的な殺戮となり、四半刻後には、コミラはアイリウンに手ずから斬られてしまい、反乱は未然に防がれた。コミラの残兵は四方に散っていった。

 ノルセンは大公から預かった将兵たちに事情を説明する役を任されていたので、この夜戦には参加しなかった。

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