あらしの夜

明日世界が滅亡する夢を見ているときのような絶望とすべてから解放される高揚がないまぜになったような心地で

嵐の夜は風の音に耳を澄ませて

風に紛れて聞こえてくる誰かの泣く声を聴いている

聞こえるはずのない声が届くことに

ようやく正常じゃなくなったのだとほっとしている

私はもう普通でなくていい

私の泣き声は嵐の音にかき消される


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