小花満つ　寝起きの腕を光らせて　手ずから木製の窓をひらく

欄干に寄りかかりつつたい焼きつつき「あれがオリオン座」(君は獅子)

銀色の　ロケットつまむふりをする　君の笑い皺　戦争の音

水が来て　あいさつしてくるので　コップを差し入れ、飲み干し「うまいね」

坂の上　洋館に住む羊羹が　洗濯干してるのを　よく見ます

知ってるか？お前のその吸ってるその酸素　287代前の俺が出したんだよ(へぇ)

眼鏡氏が　わんぱく氏の頬　そっと撫で　語りかける　ベランダ碧し

光り破つ　かもめ一匹滑空し　おさげのあの子の家の上で旋回

少年は　星座早見盤かかげ歩く　ポプラ通りの黄色い影は

とりかえばや　真白き赤子　星屑の中を流れ母の胸に

あの子がシャーペン落としたから　僕は今銭湯の入口にいます

内緒よと　彼女が胸から取り出した　メリーゴーランド　新月の夜

風さやや　あなたはおはじきしていたわ　緑揺れる頃　私が生まれるまえ

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