どこからともなく星が砕ける音がした
「にいさん、どうしたの」
"弟"の温かな手が、兄の頬に触れる。黒曜石に似た瞳の中で白い花が揺れた。
「顔色、あまりよくないね。お薬はちゃんと飲んだ?」
「……ああ」
寝台に腰かけた少年は、ぼんやりと虚空を眺めている。どこからともなく星が砕ける音がした。
「流れ星が落ちたんだ。ね、見に行こう」
2023/3/30
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