あのときの選択は間違っていなかった。私には彼らが必要だったのだ

冬がねむりにつく季節は、何かと慌ただしい。研究所の敷地内に並ぶ桜並木もほんのりと色づく頃合いだ。

「父さん、身体に気をつけてね」

一週間ぶりに聞く“春”の声は、疲れきった心身にしみわたる。あのときの選択は間違っていなかった。私には彼らが必要だったのだ。

「帰ってきたら、三人で星を見よう」


2023/3/24

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