私は、ヒトを模しただけの、ただのモノだ。核が、私をヒトに近づけているのかもしれないがね

「それで、壊しちゃったの?5番目の僕を」

「……数など覚えてはいないよ」

少年の手の中にふるい瓶がある。とうめいな器の底でねむる鉱玉は未だ目覚めない。

「お父様、ニンゲンみたいで、なんか新鮮」

「私は、ヒトを模しただけの、ただのモノだ。核が、私をヒトに近づけているのかもしれないがね」


2023/3/18

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