私は家族のぬくもりを知らない
私は家族のぬくもりを知らない。
我々の世代では、家族の概念は薄れつつあった。私を“父”と呼ぶ標本は、無邪気な子供のように、結晶庭園を走り回っている。靴先が踏み砕く欠片の正体も知らずに。
「お父様、みて。アイオライトの核だ」
「状態がいいね。地下室に保管しよう」
「僕の友達、目を覚ますかな」
2023/3/15
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