とうめいな曹達水に淡いすみれの影が沈んでいく

紫水晶の核をくだく。とうめいな曹達水に淡いすみれの影が沈んでいく。

兄は、椅子に腰掛けて、うたた寝をしていた。記憶が戻らないのは、弟に核のかけらを与えていたせいだ。一度砕けた核は元には戻らない。まがいものの鉱玉で埋め合わせるしかなかった。

「兄さん、今日は星が降るよ。一緒に見ようね」


2022/12/16

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