真実は、うそで隠してしまおう
陽だまりの中で眠る“彼”をながめていた。核をたべるばけもの。にんげんから忌み嫌われた者。ほんとうは、こんなにも、愛らしいいきものなのに。
「……真実は、うそで隠してしまおう。今はおやすみ、ニルソニア」
王の手が目蓋をふさぐ。
なにもみえない。なにもきこえない。
無償の愛だけが、底に、在る。
2022/11/20
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