広げた両の手は血にまみれ、暗がりの道が広がるばかりだ
なつかしい夢を見る。
ちいさな手をひいて、鮮やかな空の下を駆けていく。絡めた指先に伝う熱がいとおしかった。目覚めれば、頭を撫でるその人の名も思い出せない。
(……あれは、なんなのだろう)
広げた両の手は血にまみれ、暗がりの道が広がるばかりだ。星の導もいずれ消える。
(誰の、記憶なんだ)
2022/10/16
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