明日の見えない者たちは、暗がりの中で突き進むしかなかった

其処には救いも希望もなかった。

明日の見えない者たちは、暗がりの中で突き進むしかなかった。こころが砕け、刃は地に落ちる。拠り所などあるはずもない。彼らの居場所はどこにもない。

「お前の手は、……あたたかいな」

寒空の下で、だれかが呟いた。

男は否定した。お前の熱がうつっているだけ、と。


2022/10/11

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