すみれの瞳が白銀のうなじをとらえる

胸の奥底で菫青石が小気味よい音をたてる。ミモザに休めと言われても、レグルスの足は止まらない。

(先生に、書類を届けないと)

中庭に続く通路で、黒い影を見た。すみれの瞳が白銀のうなじをとらえる。

「……君は、誰だ」

漆黒のセーラー服に身を包んだ少女が瞬きを繰り返す。

「見つかっちゃった」


2022/9/30

星満つるギムナジウム

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