でも、それは、本当にカノープスなのかな

少年を形作っていた核がほろほろと崩れ始める。ミモザは空の小瓶を取り出し、カノープスのかけらをそっとおさめた。

「そんな顔をするな。核さえ無事なら、いくらでも直せる」

「……でも、それは、本当にカノープスなのかな」

「先生がいれば、記憶は消えない。俺たちの記憶は消せないんだ。……永遠に」


2022/7/21

星満つるギムナジウム

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