冬の海は灰青に満ちていて、ほんの少しさびしい

浜辺にのびる影に少年の面影をみた。冬の海は灰青に満ちていて、ほんの少しさびしい。 「……ミモザ」

レグルスをとらえた双眸は淡いすみれ色だった。夜色の制服をまとった少女が軽く首を横に振る。

「私は、菫よ」

「……すまない。知り合いに似ていたから」 「そうかしら。貴方こそ、鈴蘭にそっくりね」


2022/7/13

そして名もなき星たちは

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