星あかりさえ、ひび割れた菫の瞳には刺激が強すぎる

波の音が絶え間なく続いている。少年はそっと窓を開けた。星あかりさえ、ひび割れた菫の瞳には刺激が強すぎる。

「もう動けるのか。核が馴染んできたんだな」

淡い金の髪がふわりと揺れる。

「……きみは」

「俺はミモザ。この療養所のまとめ役」

「そう。えらいのだね」

「何でも聞いてくれよ、新入りくん」


2022/7/1

そして名もなき星たちは

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