白衣をまとった男は、朔を地下から連れ出した構成員だ

「朔、」

淡い水色の双眸が少年を射る。白衣をまとった男は、朔を地下から連れ出した構成員だ。

「……父さん」

物心ついたときから朔はひとりだった。地下に住む子どもが、男と契約を結べたのは、マキナのおかげだ。弟は何も知らされていない。

「核の調子はどうだ」

「俺の」

「君ではない。あの眠り鳥だ」


2022/5/7

9月のアメシスト

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