感情を失った瞳は文字の羅列を曖昧になぞるだけだった
凍てつく星のささやきはきこえない。
夜天をうめつくす星明りも、指先に触れる結晶の冷たさも、もう思い出せなかった。
季節のめぐりは瞬きするくらい一瞬で、学舎の生徒たちはわずかな時間で入れ替わっている。
新任の教師のリストが送られてきた。感情を失った瞳は文字の羅列を曖昧になぞるだけだった。
2022/5/4
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