少年が手にしている本は、星が世界を覆い尽くす前の時代に記された神話だ

淡い金の髪がさらりと揺れる。凍てついた指先は包帯で覆われていた。少年が手にしている本は、星が世界を覆い尽くす前の時代に記された神話だ。

「お前が世界をすくう夢を見たよ」

聡明な碧の双眸が少年の横顔をみつめていた。

「僕が?……ひとりでは何もできないよ。君が傍にいるから、立っていられる」


2022/4/11

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