竜の背で影が蠢く。彼は、かつてヒトだったモノだ
懐かしいうたがきこえる。気の遠くなるようなはるか昔、其の旋律を口ずさんでいたひとがいる。もう名前も、顔も、声も、思い出せない。
「泣いているのか、少年」
竜の背で影が蠢く。彼は、かつてヒトだったモノだ。
「……泣くわけないだろう。何も感じないんだ」
「お前の核は正常だ。忘れているだけさ」
2022/3/30
その星の名はクロリス
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