彼はいのちを燃やす花を弄び、そのかけらを喰らう

彼は花が苦手だった。惑いの丘に咲く月蒼花の区別もつかない。彼はいのちを燃やす花を弄び、そのかけらを喰らう。

「……君、花だらけだよ」

「デュモルチェライトの仕業か。……"僕"は弟ではないのにねえ」

うつくしい花冠は灰と化す。青い翼のはばたきはきこえない。

「いい加減、諦めたらいいのに」


2022/1/11

結晶庭園

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