あのとき、星の海に飛び込まなくて、よかったなぁ

「あのとき、星の海に飛び込まなくて、よかったなぁ」

駅のホームで君がぽつりと呟いた。満天の星空が広がる晴れた夜のことだった。

「あの頃は誰の声も聞こえなかった。自分で自分の首を絞める毎日でさ」

いっそ星と同化してしまおうか。君が軽いステップを踏む。

「でも、ちゃんと届いていたよ。君の聲」


2021/12/29

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