夜天のかけらを前に、シリウスの手は止まっていた

夜色の紙に白銀の洋墨でほしいものを書くと、聖なる日に願いが叶うという。夜天のかけらを前に、シリウスの手は止まっていた。

「なんでも好きなものを書いていいのですよ」

星のこどもたちの願い事を集め、ルノ・ルミナスが微笑む。

「欲しいものなんて、ない」

「……シリウス」

「先生が、傍にいるもの」


2021/12/24

星満つるギムナジウム

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る