僕の手は何度でもきみを寝台に引き戻す

つめたい雨が降る夜は、両目をそっと塞いでしまおう。あたたかなミルクもやわらかな毛布も、効かないのなら、この腕で抱きしめていよう。

あたらしい薬が小瓶からこぼれ落ちて床に散らばる。きみは震える指先で其れを拾おうとする。

「にいさん、……僕をみてよ」

僕の手は何度でもきみを寝台に引き戻す。


2021/12/19

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