素肌にガウンを羽織っただけの姿で現れる花売りは、聖域を踏み荒らす

明け方にそれはしのびこんでくる。淡い蜜色の髪が鉱玉燈の灯りに晒される。

「ごきげんよう、お兄さん」

「また、お前か」

素肌にガウンを羽織っただけの姿で現れる花売りは、聖域を踏み荒らす。

「鉱玉の欠片、余っていないかな。おなかがすいちゃって」

「お前の餌ではないんだ」

「星屑でもいいよ。ねえ」


2021/12/12

芸術都市の鉱玉師

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