第17話 ヘルカ王国でのクエスト

エルフの里で無事結婚式を終え、皆に見送られて再びヘルカ王国に入った。


国境の近くの街まで5キロ程、ハヤトは【身体強化】を掛け、セリーヌ は【風を纏い】3分程でヘルカ王国トロルの街に着いた。


二人は真っ先に冒険者ギルドに向かい掲示板のクエストを眺める。


ワイバーン討伐、数は不明、というクエストが金貨50枚と高額で残っていた。


セリーヌを見ると笑って頷いたのでこれを剥がして受付にカードと一緒にだした。


場所を聞いて【マッピング】と【転移】の併用で一瞬にして説明された場所に来て【サーチ】すると200メートル左前方に居るではないか!


セリーヌが3本の矢を顔面目掛けて連射、2本は目に1本は眉間に全て見事に居抜き、その瞬間を狙って『白兎』で首を一瞬で切り落とすハヤト。


あっという間にワイバーンを倒して血止めの後、【次元収納ボックス】に入れてギルドの素材置き場にワイバーンを丸ごと出して、納品書を貰い受付に持って行った。


ついでに、エルフの里に向かう途中で討伐したワイバーンも1匹納品した。


あまりの速さに受付嬢が驚いて納品書をしげしげと確認し金貨50枚をハヤトに渡した。


ハヤトは先日購入したお財布に入れた。


ハヤトは先日セリーヌから聞いた話を思い出して、受付嬢に「この国には古代文明遺跡とか古代文明関係のダンジョンは有りますか?」と聞いてみた。


「はい1箇所だけですがこの街のギルドが統括して居る地域に有りますよ」と受付嬢が教えてくれた。


時間は未だ昼前だったので場所を聞くと「王都寄りの城門を出て二股に別れる道の

右の道を5キロほど行った所に兵士が2名警護に当たり、屋台なども有るのですぐにわかります」と教えてくれた。


早速【身体強化】をかけ、セリーヌは【風を纏い】数分で”古代遺跡トロルのダンジョン”と入り口に書いて有る場所に着いた。


警備兵にカードを提示して入っていく。


「セリーヌ、途中で休憩できる所でランチにしようね」


「はい、旦那様」とセリーヌが答えた。


1階層は魔石で照明が付いていて明るい。


いきなりダマスカス鋼製のウルフ5頭が唸り声を上げて襲いかかってくる。


セリーヌが【アースウォール】で防いで居る間にハヤトがセリーヌを襲ったウルフを『白兎』で一閃して首を切り落とす。


残りのウルフ4頭も目にも留まらぬ舜速であっという間に首を切り落とすハヤト。


首を切り落としても人工のウルフは魔石を破壊しない限り直ぐに再生する。


ハヤトは首を切断して直ぐに魔石も『魔石師』のスキルを発動し、【奪取(スティール)】で体内から奪い取っていった。


通常の剣では剣が折れてしまうが『白兎』はハヤトが使う日本刀だ。


ミスリルさえも切断できる『斬れない物は無い刀』なのだ。


2階層に行くと古い建物が1棟建っており2階建だ。


蔦に覆われた建物に近づくと、生き物の様に蔦が足に絡みついて来る。


セリーヌが火の精霊サラマンダーの【ファイアボム】で全て焼き払って歩きやすくしてくれた。


建物の1階に入るとリビングの様な作りで何やら本箱に本が沢山入っておりハヤトは全て【次元収納ボックス】に入れた。


何やらギィーギィー変な音が聞こえると思ってみると床を先ほど同様にダマスカス

製のキラーアント数千匹が床を這ってハヤト達に向かって来る。


ハヤトは【結界(バリア)】をキラーアント側に掛けて数千匹を纏めて押しつぶした。


結局ダマスカス鋼の大きな塊が出来てしまった。


2階に上がるとこれまたダマスカス製のゴーレムが1体襲って来る。


『白兎』で真二つに斬るも直ぐに再生を始める。


それならと、ハヤトはゴーレムの魔石を『魔石師』スキルを発動し【スティール】魔法で奪い取りハヤトの手元にこぶし大の魔石が現れた。


【鑑定】するとレベル8の魔石だった。


ハヤトの頭の中に『マジックストーン・マスター』の称号が与えられましたという声が聞こえてきた。


建物から出て3階層に行く。


平原ステージにマナバイソンがいる。


人工物では無い本物のマナバイソンが3頭が草を食べていたがハヤト達を認めて、向かって来る。


セリーヌが弓で3本連射して頭を射抜きあっという間に瞬殺した。


これも回収して4階層に向かう。


4階層は昔は研究所だった様な作りで地下1階、地上5階建の材質がコンクリート

で出来ている様な建物だった。


地下にはミスリル製のホーンラビットが3匹襲ってきた。


セリーヌはとっさに【風を纏い】浮いて避けた。


ハヤトは『白兎』で一瞬にして3匹の首を落として刈り取った。


魔石も『魔石師』スキル【スティール】で奪い取って再生せずに機能を停止させた。


一階は3部屋有りそれぞれ大きなビーカーの様な中に合成動物らしき物体がチューブでつながり5体ほどあった。


グロテスクな合成物なので全て【消滅魔法(イレージング)】で消し去った。


二階には研究資料が散乱してあったり、魔法関係や錬金術関係の本が有り、【次元収納ボックス】に入れた。


三階にはダマスカス製のスコーピオンが尾に針を持ち、頭の両脇からハサミがでて

ハヤトを襲ってくる。


軽く躱したが、ハサミは床の硬いコンクリートらしき物さえも軽く切る力だ!


ハヤトは先ず尾を切り落とし両ハサミはレーザービームで叩き落とし頭も『白兎』

で切り落としたが未だ生きて居る。


『魔石師』のスキル発動で魔石をハヤトの手に強奪してやっと動きが止まった。


魔石レベルは6ほど有った。


四階は人工ブツでは無い本物のドラゴントカゲがいた。


セリーヌが両目に向けて矢を射り目を見事に潰してハヤトが硬い首を楽々切り落とした。


五階には何とミスリル製のドラゴンが居る。


大きさはドラゴンにしては小ぶりの25メートルほどの全長だ。


【火炎咆哮】を吐く前に勝負をしたい。


ハヤトは先ずセリーヌを守るためにセリーヌの周りに【結界(バリア)】を掛けて

保護しておき、『白兎』で持って逆鱗近くの首を示現流居合術でスパッと首ごと切り落とし、逆鱗部分から大きな魔石を取り出した。


魔石レベルが10も有る大きな魔石だった。


全て【次元収納ボックス】に回収した。


五階建ての建物から出て次の階層に向かう。


5階層は火山ステージになっておりミスリル製キマイラが居る。


ただでさえ硬いキマイラの首はミスリル製で普通の刀では全く手がつけられないだろうがハヤトが放つ『白兎』であれば斬れない物はない。


セリーヌが注意を自分の方に引きつけてくれて居るので隙だらけになり、ジャンプして上段より『白兎』を一気に打ち下ろすとライオンの頭は羊の胴体からズレ落ちて動かなくなった。


念のため魔石を取り出すとレベル8の魔石でこぶし大の大きさだ。


宝箱が有りこの階層が最終の様だ。


罠を確認して箱を開けると『地図帳』と書かれた白紙の紙が10枚ほど有るノートがある。


鑑定してみると”自分が考える地域の詳細地図が白紙の地図帳に現れる”と出ていた。


【マッピング】の機能とはまた違った使い方だ。


 早々【次元収納ボックス】に入れた。


ダンジョンコアがすごく大きい。


とりあえず回収して転移盤に乗って1階層に戻った。


外に出たら食事をしていないことに気が付いて側の屋台に入って照り焼きバーガーと果実ジュースを頼んで二人並んで屋台で食べた。


ギルドまでは【身体強化(ブースト)】とセリーヌは【風を纏って】飛ぶ感じであっという間に戻ってきた。


受付にダンジョンコアと地図を渡し、作業場の方に殆どが古代人の人工魔物でミスリル製やアダマンタイト製などを出してギルドの食堂でお茶を飲んで待っていた。


40分程待って納品書が出来たので受付に渡すとコア、地図、討伐成果全て合わせて白金60枚金貨45枚銀貨58枚銅貨87枚とかなりの金額になった。


カードに白金60枚だけ入れてもらい、後はハヤトの財布に入れた。


カードには白金80枚金貨100枚銀貨69枚銅貨380枚となった。


一方財布には金貨102枚銀貨63枚銅貨97枚となった。


ハヤトはトロルから王都までどの程度か【マッピング】すると80キロ程有る。


早く戻りたいのでギルドの裏に出て『万能乗用車』で上昇し、空を時速500キロで飛び、王都の城門近くまで数分で移動する。


セリーヌと二人でメイン道路を歩いて行き冒険者ギルドに入り、カードを見せて宿を紹介してもらう。


ギルドから50メートルほど左に行った左側の”旅の小道”という宿が安くて美味しいと教えてくれた。


宿はすぐわかり入っていくと「いらっしゃいませ、お泊りですねお二人一部屋で

あれば銀貨1枚と銅貨20枚です」


ハヤトのカードで払った。


「2階の一番手前の201号室です。夕食は17時から22時まで、ラストオーダーは21時半までです。朝も5時から10時までラストオーダーは9時半までです」


「ありがとう」と言って201号室の部屋のキーを受け取り二人で部屋に入った。


「セリーヌ、お疲れ様。ケーキと紅茶を出すね」そう言ってサバラン2個と紅茶を

出してセリーヌの前に置いた。


「このサバランっていうお菓子、とてもリキュールが効いていて美味しいです」


「でしょ?僕はこれが小さい時から大好きなんだ!」


「ハヤト様は子供の頃からお酒入りのお菓子を食べていたのですか?」


「お酒って言っても甘くて美味しいから酔うほどでは無いしね!」


「シャワー浴びておいでよ、セリーヌが出たら僕も浴びるから」


「ハヤト様の背中を流して差し上げますからご一緒に入りましょ?」


「いいの?」


「私たちは夫婦ですよ!」


「じゃ、一緒に入って、背中頼むね」


「任せてください」


そう言って二人は一緒に入り当然の様にキスをして合体。


そのままベットの上で再び愛の格闘を始めたセリーヌは喜びに痺れて意識を投げ出した。


ハヤトは世界樹様の加護を受けてその後ステータスがどう変わったのか見てみる。


ステータスオープンと念じると


ハヤト・クレナイ 転生者 人間族 16歳 全12神の加護 神の使徒


         世界樹の加護 サラマンダーの加護 ウンディーネの加護


         シルフの加護 ノームの加護

         

         マジックストーン・マスターの称号 ドラゴンスレイヤー


<ランク>SSS以上


<体力> 無限


<知力> 賢者


<魔力>> 無限


<能力>> 無限


<レベル>測定不能


【魔法】


火魔法:測定不能・限界値越え


水魔法:測定不能・限界値越え


土魔法:測定不能・限界値越え


風魔法:測定不能・限界値越え


光魔法:測定不能・限界値越え


闇魔法:測定不能・限界値越え


無属性魔法:測定不能・限界値越え


次空間魔法:測定不能・限界値越え


生活魔法:測定不能・限界値越え


【スキル】<世界樹の持つ全ての力 不老・不死・その他?????>


『限界突破スキル』:限界値10を超え無限


『魔石師』(マジックストーン・マスター):レベル無限


『結界師』:レベル無限・限界値越え


【保護(プロテクション)】:レベル無限・限界値越え


【鑑定(アプレイザル)】:レベル無限・限界値越え


【消滅魔法(イレージング)】:レベル無限・限界値越え


【奪取(スティール)】:レベル無限・限界値越え


【モデリングスキル】:レベル無限・限界値越え


【シールド】:レベル無限・限界値越え


【次元収納ボックス】:無限大


剣術:測定不能


体術:測定不能


物理耐性:測定不能


魔法耐性:測定不能


毒性耐性:測定不能


熱耐性:測定不能


耐寒性:測定不能


『加護』 全12神の加護 世界樹の加護 全4精霊の加護



”世界樹様からの力がプラスになり、ええ?不老不死?全精霊の加護をもらえた!世界樹様の力って結界とかどんな御力を頂いたのだろう、????がたくさんあるが・・・”


あまり目立たない様にただでさえセリーヌの様に美人の奥様を連れて冒険者をして

居ると絡まれる機会が多いか二人とも存在感を薄くする術をマスターしないとダメだなとハヤトは考えていた。


セリーヌが目を覚まし、顔をあからめながら起きて「ハヤト様は何をしてらしたのですか」


「改めて自分のステータスを確認していたんだけど、世界樹様の加護と全精霊の加護が加わり、不老、不死なんていうのがついてしまって居るんだ!実際、世界樹様のお力を授かったと言ってもどの様な力なのかわからない。セリーヌは具体的に世界樹様のお力ってわかる?」


「そうですね、国ごと包むことができるほどの結界の広さ、それと広範囲の認識阻害魔法と植物との意思疎通ができる事、それによる天変地異と世界中の出来事を知る力、私がわかるのはその程度ですね。他にも細かく有るとは思うのですが・・」


「一番の大きいのは人を幸せにしてくれる力だね!」とハヤトは言って笑った。


「セリーヌ、冒険者ギルドに行くたびに僕らは子供に見られて君は超美人で目立つからいつも絡めれるのでお互い【認識阻害魔法】をかけて目立たない様にすれば

ギルドで揉めないと思うな!どう?」


「そうですねハヤト様が私に【認識阻害(コグニティブ・インヒビション)】魔法をかけてくださればハヤト様は世界樹様の御力を授かっておりますので、何もせずとも【認識阻害】は施されて居ると思います」


「そうだね、今後はそれで行こう!そろそろ夕食の時間だから下に降りようか?」


二人で1階の食堂に降りて夕食のファングボアの生姜焼き定食に野菜スープとハヤトはご飯、セリーヌはパンを頼んで目立たぬ様に食堂でも端っこで食べた。


二人にとってはそれもまたそれで楽しく、二人でコソコソする感覚がセリーヌは楽しくてしょうがないみたいでご機嫌がとても良い。


「セリーヌ、【認識阻害】を楽しんでいない?何か嬉しそう!」


「ええ、ハヤト様と二人だけの秘密を持った感覚がとても嬉しくて、はしゃいでいます」とニコニコして居る。


二人とも定食を美味しく食べて2階201号室に上がって行った。


部屋に戻るとハヤトがアメリカンコーヒーを二人分だして一緒に一息つきながら

二人だけの時間を過ごす。


セリーヌもハヤトも幸せそうな顔をしてアメリカンを飲んでいる。


「セリーヌ、僕はこうして君と今コーヒーを飲んで居るこの一瞬がとても好きだ」


「私もです。ハヤト様とこうして居るひと時が本当に幸せで・・・」


「明日はオルバル帝国の中央付近の都市に行って1泊しますか?」とハヤト。


「はい、帝都のこちらから行って手前の最大都市はジェニールでケープと同程度

の大都市です。ギルドもそこそこ大きいと思われます」とセリーヌがいう。


「それじゃ、そこに2泊程止まってクエストを見て見ませんか?」


「はい、そうしましょう」


二人はアメリカンを飲み終えて少し早いが明日も朝が早いので手を繋ぎながら寝むりについた。


ハヤトはいつもの様に宿の裏庭に出て薄暗いうちからバスターソード5000回の

素振りと『白兎』での示現流紅の型をおさらいし、座禅を組んで瞑想し魔素とオド

を意識し、訓練を終えた。


部屋に入るとベッドでセリーヌも座禅を組んで瞑想しオドの体内循環を活発化させる訓練をしていた。


二人で階下に降りて朝食を済ませると早々に宿を出て、二人は裏庭に回り『万能乗用車』に乗り込みヘルカ王国を後にするのだった。

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