第58話 逢引きと合い挽き

裕彩を連れて、いつものように春樹と会った。

待ち合わせをして、ショッピングモールに車を停め、車一台で出かける。

春樹の車にもチャイルドシートを付けてくれた。

そして、ランチをし、春樹の家に行った。

春樹の家に行って、裕彩を昼寝させ、春樹と交わる。

春樹とはその時ばかりは現実を忘れることができる。

だから、やめられない、麻薬のようなものかもしれない。


しばらくして、落ち着いて、春樹とゆっくりお茶を飲みながら話す。

これからのことなどは話さない。

お互いの現状のみを話す。

そして、愛彩の保育園のお迎えの時間に合わせて、いそいそと帰る。

なにもなかったように、潤の帰りを待つ。


彩南や彩幸や彩斗の宿題を見てやり、明日の学校の準備をさせながら、愛彩の保育園の準備もする。

そして、子供たちを寝かせる。

裕彩はどうしてもぐずるから横についてゆらゆらしたりとんとんしたりしながら授乳もし、そのまま私も寝落ちしてしまう。


鍵の開く音で目が覚める。

潤が疲れた顔をして帰ってくる。

ご飯を用意して、お風呂に入る潤の脱いだ服などを洗濯機にいれて、お風呂から上がってくるまで裕彩をまたあやしながら待つ。


お風呂に上がってから、寝る前に必ず潤はビールを飲む。


そのおつまみにちくわにキュウリをとおしたものと、漬物を用意して出すと、ごめんね、ありがとうと言われる。

その一言で昼間の出来事に罪悪感を感じる。


それをかき消すかのように、潤と二人で裕彩をかわるがわる抱っこして、眠くなって布団につく。



そうだ、明日はハンバーグにしよう。

そう思って、冷凍庫にあった合い挽き肉をチルド室に入れ替えて、寝室に戻った。






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